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高鮮度の魚を沖縄から世界へ!国内外に鮮魚を届けるプロジェクト始動 新たな鮮度指標「K値」とは?

沖縄県国頭村の国頭漁業協同組合と株式会社フーディソン、高砂熱学工業株式会社、日本航空株式会社、YKK株式会社、沖縄県漁業協同組合連合会、公益財団法人函館地域産業振興財団は、獲れたての鮮魚を高鮮度のまま国内外に届ける「高鮮度輸送プロジェクト」を始動したことを発表しました。

漁獲直後の徹底した鮮度管理と独自のシャーベットアイス、新たな梱包材による航空輸送、鮮度を科学的に示す「K値」の導入を組み合わせることで、沖縄発の鮮魚を適正な価格で安定的に届ける新しい流通モデルの確立を目指すといいます。

異業種7者によるプロジェクト

本プロジェクトは、地方や離島から高鮮度な水産物を安定して流通させる仕組みづくりを目的に、異業種7者が連携して取り組む新たな試みです。

背景には、国頭漁業協同組合における水産物の販路拡大を考える際、沖縄本島の最北端にある国頭村から空輸拠点の那覇空港まで約100kmという地理的条件や、色鮮やかな南方系魚種ゆえに「見た目の印象」で評価されにくいという課題がありました。

こうした中、漁獲直後からの鮮度処理とシャーベットアイスによる冷却、高効率な航空輸送を組み合わせることで、これまで流通しにくかった多品種・小ロットの魚にも新たな販路と価値を生み出すことが狙いです。

昨年12月からは、国頭漁協で獲れた魚を国内外へ試験輸送し、品質や輸送安全性、取引価格などの検証。その結果を踏まえ、本格的な海外輸送を視野に入れた高鮮度物流の構築を進めているといいます。

「高鮮度×スピード輸送」をシャーベットアイスと新梱包材で実現

産地では、漁協が作成した「高品質鮮魚マニュアル」に基づき、漁師と漁協職員が一体となって漁獲直後から市場での水揚げ後まで、鮮度処理と鮮度維持管理を徹底。冷却には、高砂熱学工業が開発した直径0.05ミリの滑らかなシャーベットアイスを使用し、魚体を傷つけることなく隙間なく包み込むことで、急速かつ均一に芯まで冷やし込むことが可能になるそうです。

シャーベットアイスと魚(提供:日本航空株式会社)

輸送面では、YKKの防水ファスナー「AQUASEAL」を採用した新梱包材を用い、水漏れを防ぎながら航空輸送での安全性や温度管理を確保。​一般貨物との混載が可能になったことで、限られた貨物スペースを有効活用し、高鮮度な魚をスピーディーかつ適正なコストで国内外に届ける体制が整えられました。

水漏れを防ぐ梱包材(提供:日本航空株式会社)

また、フーディソンは飲食店向け生鮮EC「魚ポチ」で培ったノウハウを生かし、産地と国内外の飲食店を直接結ぶ受発注プラットフォームを提供。​産地発の情報をデジタル化してタイムリーに発信し、航空輸送と組み合わせることで輸送時間を大幅に短縮し、沖縄の希少な鮮魚本来の価値を損なわずに最短ルートで届けることを目指すといいます。

「K値」で鮮度を“見える化” 魚価向上と持続的な水産業へ

本プロジェクトの大きな特徴が、鮮度指標「K値」による科学的な評価の導入です。

K値とは水揚げ後に進む魚体内成分の変化を数値化したもので、値が小さいほど新鮮であることを示すもの。「見た目」や「匂い」に左右されない客観的な品質保証に役立ちます。

2022年には農林水産省によりK値試験方法(HPLC法)が日本農林規格(JAS規格)として制定されており、国際標準化(ISO)に向けた動きも進んでいるとのことです。

現在は測定に半日〜1日を要しますが、将来的にはその場で即時測定が可能となる技術開発が進められており、高鮮度な鮮魚が適正な価格で流通する基盤づくりにつながると期待されています。

国頭漁協では、シャーベットアイスの導入や「魚ポチ」を通じた流通拡大により、未利用魚の販路拡大とともに、魚種によっては魚価が2020年度比で2倍、多いものでは同5倍に向上した事例も出ています。

本プロジェクトでは今後、国頭漁協から沖縄県内、さらに全国の産地へとスキームを広げ、多様なパートナーとの連携を通じて、豊かな海の恵みを次世代につなぎ、日本の食文化の深化と水産業の持続的な発展を図る考えです。

※2026年3月4日時点の情報です

(サカナト編集部)

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