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ミドリフサアンコウを美味しく食べる

ミドリフサアンコウを含むアンコウ目の魚類は美味しい魚が多く、本種も食用とされています。

しかしながら、積極的に利用されるというよりは、底曳網漁業で獲れた個体を利用するという意味合いが強く、流通も稀です。

余すとこなく頂ける「汁物」

2013年に三重県尾鷲を訪問した際にミドリフサアンコウを入手しました。アンコウ科の魚は身のほか、肝臓や生殖巣、皮なども余すことなく食べられます。

ミドリフサアンコウの味噌汁(提供:椎名まさと)

しかし、フサアンコウ科の魚であるミドリフサアンコウの皮は小さな棘におおわれており、ビロードのようで、なかなか食べにくいものです。

そのため皮はあらかじめはいでしまいますが、方法は簡単で、ハサミで切れ込みを入れると簡単にむくことができます。身や鰭、肝臓、胃、生殖巣などを入れて味噌汁にしてみましたが、これが非常に美味でした。

身は柔くて美味しい「唐揚げ」

2021年に「深海魚直送便」のなかの「ヘンテコ深海魚便」というサービスを使用しました。

これは静岡県戸田で操業している底曳網漁業で漁獲されたもののうち、従来、廃棄されていた魚や甲殻類などを販売・発送してくれるもので、運が良ければ珍しい魚なども入っている可能性があります。

駿河湾のミドリフサアンコウ。全長7センチほど(提供:椎名まさと)

その中にミドリフサアンコウの小型(全長3~7センチほど)の個体が4匹入っていましたが、これらは味噌汁として食べるにはどうしても小さすぎるので、唐揚げにしてみました。

ミドリフサアンコウの小型個体の唐揚げ(提供:椎名まさと)

皮を剥いで、内臓をとった後、唐揚げ粉をまぶして揚げます。

身はやわらかくて美味しいものでしたが、頭部は硬くてうまく食べることはできませんでした。

ミドリフサアンコウをぜひ食べてみてほしい

ミドリフサアンコウはとても美味しいですが、広く流通しないため、なかなか入手の機会がない魚でもあります。

しかし最近は、ECサイトができたり、廃棄されてきた魚を利用しようという試みが各地で見られたりすることから、深海魚も以前よりは入手しやすくなりました。

ぜひともミドリフサアンコウの味を堪能してほしいと思います。

(サカナトライター:椎名まさと)

参考文献

小泉雄大・田城文人. 2020. 三重県沖で採集された斑紋を欠く日本初記録のフサアンコウ属魚類. 魚類学雑誌. 67(2):203–207.

中坊徹次編. 2013.日本産魚類検索 全種の同定 第三版.東海大学出版会.秦野.

岡本 誠・本村浩之編著.2024.日本の深海魚図鑑.山と渓谷社.東京.

冨山一郎・阿部宗明・時岡 隆.1958.原色動物大圖鑑2巻.脊椎動物魚綱・円口綱,原索動物.北隆館,東京.

山田梅芳・時村宗春・堀川博史・中坊徹次. 2007. 東シナ海・黄海の魚類誌.東海大学出版会,秦野.

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椎名まさと

魚類の採集も飼育も食することも大好きな30代。関東地方に居住していますが過去様々な場所に居住。特に好きな魚はウツボ科、カエルウオ族、ハゼ科、スズメダイ科、テンジクダイ科、ナマズ類。研究テーマは魚類耳石と底曳網漁業。

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