海に生息する鳥類で代表的な生き物・ペンギン。では、陸に生息する鳥類とはどのように違うのでしょうか?
【画像】オーストラリアの有名観光地で偶然観察できた<コガタペンギン>
生活様式による鳥類の違いを「骨格」という視点から見てみると、両者の何が異なるのかが見えてきます。
鳥類の骨格の特徴
スズメからタカまで、現代の鳥類に共通する最大の特徴は、「歯がない」ことです。
食事をする際に不便そうに思えますが、これこそが空を飛ぶための究極の生存戦略。重いエナメル質の歯とそれを支える頑丈な顎は、飛行時のバランスを崩す「重り」になってしまうのです。
鳥たちは進化の過程で歯を捨て、軽くて丈夫な「嘴(くちばし)」と、胃の中で食べ物をすりつぶす「砂嚢(さのう)」を手に入れました。
“泳ぐ”鳥類の翼は平ら
泳ぐ鳥類たちは、水の中をすいすいと泳げるように翼は平らになっています。どこかカヌーのパドルに似ているような気もしますね。
胸の部分には「竜骨突起」と呼ばれる骨があり、これを利用することで、速く泳ぐことができます。
マゼランペンギン (提供:ちそう株式会社)歯がないため、食べ物を丸飲みします。魚を食べる際、尾鰭から食べてしまうと鱗が引っかかって食べにくいため、頭から食べます。水族館などでも、魚を咥えたあと、頭から食べるために器用に魚を回転させている様子を観察することが可能です。
また、足は短いのではなく、膝を曲げているようなかたちになっています。
“飛ぶ”鳥類は軽さに特化
飛ぶ鳥類たちは、全体的に軽さに特化した骨格になっています。
足は大腿骨(太ももの骨)につながる2本の骨の内、その1本(腓骨)が細くなっており、あまり足をひねったりしません。
ハシボソガラス (提供:ちそう株式会社)逆に腕にあたる羽は、風を捉えるためにひねって角度を調整することから、しっかりと2本あります。
羽ばたくために強力な筋肉をつけるため、“泳ぐ”鳥類と同じく「竜骨突起」を持ちます。また、上昇した際に、気圧が下がって肺が膨らみすぎないよう、肋骨に横の肋骨とつなぐ骨が出ています。
骨格に注目すると生きざまが見えてくる?
このように、同じ鳥類でも生活様式によって骨格に違いがあります。
今後観察する機会があれば、「骨格」を意識して見てみると面白いかもしれません。
骨格を意識して観察をするには、まず骨について学ぶのが不可欠。たとえば、『骨の動物誌』神谷敏郎(1995)東京大学出版会、『鳥の骨格標本図鑑』川上和人(2019)株式会社文一総合出版、『完全保存版 頭骨図鑑』吉田賢治(2014)株式会社双葉社といった書籍では、様々な生きものの骨格について学べますよ。
(サカナトライター:Sunchan)
参考文献
Manual of Ornithology Avian Structure & Function Noble S. Proctor & Patrick J. Lynch (1993)