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サバ科の魚の特徴

サビキ釣りで釣れたマサバ(提供:椎名まさと)

サバの仲間は日本で21種が知られますが、サビキ釣りで釣れるのはごくわずかな種です。サバ科の魚は背鰭が2基あり、第2背鰭・臀鰭の後方に小離鰭があります。

マサバの小離鰭(撮影:椎名まさと)

アジ科ではオニアジをのぞき小離鰭の数は背鰭・臀鰭後方に各1つあるだけですが、サバ科のマサバやゴマサバでは各5つあります。サバ科の魚もアジ科の魚と同じく腹鰭と胸鰭の位置は胸位です。

その一方アジと異なり、体側に稜鱗はありません。一方で背中には小さな虫くい状斑紋があります。

美味しい魚ですがアジ科の魚よりもずっと痛みが早いので、釣れたらすぐに締めてしまいたいところです。できればこのときに内臓も出してしまいましょう。内臓は釣り場に放置せず、別のビニール袋に入れて持ち帰ってから捨てます。

日本では九州以北ではマサバとゴマサバが見られますが、琉球列島ではグルクマに置き換わってしまうようです。ゴマサバは沖縄県でも漁獲されますが深場にすんでいるらしく、沿岸のサビキ釣りでは釣れないようです。

イワシの仲間の特徴

マイワシ(提供:椎名まさと)

「イワシ科」という分類単位は存在しません。北海道~九州に至る日本近海で見られるのはほとんどがマイワシ、カタクチイワシ、ウルメイワシで、これらはそれぞれニシン科ニシン亜科・カタクチイワシ科・ウルメイワシ科ないしニシン科ウルメイワシ亜科となります(ただしもっと細かく分けている研究者もいる)。

胸鰭と腹鰭の位置の比較。上がマイワシ、下がマルアジ。緑の矢印が胸鰭、紫色の矢印が腹鰭(提供:椎名まさと)

イワシの仲間はアジ科やサバ科と異なり、胸鰭と腹鰭の位置は「腹位」といい、腹鰭は腹部にあり(つまり、アジ科・サバ科よりも後方にある)胸鰭の位置も下方にあります。

獲れたてのカタクチイワシ。ブルーが綺麗(撮影:椎名まさと)

カタクチイワシは口が大きく、マイワシやウルメイワシとは容易に見分けることができます。夏の終わりから秋にかけて群れが岸近くによってきます。またこのカタクチイワシを狙う肉食魚も見られ、本種を餌にして大物を狙うのもよいでしょう。

マイワシとウルメイワシはよく似ていますが、マイワシの体側には目立つ黒色斑列があるので見分けられます。ただしマイワシでもこの黒色斑列が目立たないこともあり、注意が必要です。またマイワシとウルメイワシは背鰭と臀鰭の位置関係も異なり、ウルメイワシの臀鰭はやや後方にあります。

マイワシやカタクチイワシなどは煮物や焼き物、よく知られるように干物などで極めて美味ですが、新鮮なものの刺身は絶品です。幼魚は「しらす」として販売され生のまま食べたりちりめんじゃこにして食べます。

また養殖魚の飼料としてもイカナゴなどとともによく使われ、用途が極めて広い魚です。

一方でこれらの魚は琉球列島には見られません。カタクチイワシのみ、沖縄県にもいるようで『沖縄さかな図鑑』(下瀬環著・沖縄タイムズ社・2021年)の中では与那国島のカタクチイワシについての記述が見られますが、釣れるほどはいないと思われ、ミズン、ヤマトミズン、ホシヤマトミズン、ミナミキビナゴといった種が九州以北に見られるイワシの仲間のニッチをしめます。

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椎名まさと

魚類の採集も飼育も食することも大好きな30代。関東地方に居住していますが過去様々な場所に居住。特に好きな魚はウツボ科、カエルウオ族、ハゼ科、スズメダイ科、テンジクダイ科、ナマズ類。研究テーマは魚類耳石と底曳網漁業。

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