釣りをしていると様々な魚が釣れますが、中にはゲストや外道などと呼ばれる釣り人からは本命視されない魚も少なくありません。
トラギス科の魚は投げ釣りや船釣り、特にカワハギ釣りのゲストとして知られている魚ですが、実は本命にも負けず劣らずの味をもっています。また、日本国内だけでも数十種のトラギス科が生息しており、多様性のあるグループでもあるのです。
この記事ではそんなトラギスについてご紹介します。
意外と多いトラギス科の種類
トラギスはスズキ目トラギス科に属する魚の総称、またはParapercis pulchellaの標準和名です。2024年4月現在、日本産トラギス科魚類は30種が知られ、いずれも海に生息しています。
近年、新種や日本初記録種が見つかっているグループでもあり、2011年にアマノガワクラカケトラギスが新種記載、2013年に鹿児島県与論島から得られた日本初記録のParapercis randalliをもとにホムラトラギスの標準和名が与えられました。
トラギス科に属する多くの種では下顎が上顎よりも突出していることが特徴として挙げられるものの、キスジトラギスのように上顎が下顎よりも突出する種もいます。また、ワニトラギスはトラギス科の大型種で背鰭の鰭条数が多いことが特徴です。
トラギス科の魚は浅海から深場にかけてのサンゴ礁・砂泥・貝殻混じりの砂底に広く分布しており、アカトラギスやオキトラギスのように深場に生息する種は赤系統の体色を持つことが特徴です。
浅海に生息する種では模様が複雑な種も多く、カモハラトラギスやマダラトラギスのように派手な模様を持つ種も多く存在します。
トラギスはキスにも劣らない味?
トラギス科の魚はキス釣りのゲストで釣れることや、名前にキスが付くことから釣り人からはしばしばキスと比較されることも多い魚です。しかし、トラギスはキスとは異なるグループに属する他、味にいたってもキスにも負けない旨味を持っています。
トラギス科の中には底引き網で多獲される種も少なくありません。クラカケトラギスは底引き網で漁獲される典型的なトラギス科魚類で、市場や魚屋へまとまって入荷することがあり、底引き網が盛んな地域で普通に見られるようです。
本種はキスのように天ぷらにして食べると非常に美味しく、知る人ぞ知る美味な魚でもあります。
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