ヒノマルテンスは食べられる?
ヒノマルテンスは沖縄や奄美諸島でたまに漁獲されることがあり、食用とされている種です。
ベラ科の魚は煮つけで美味しい種が多く、同属のテンスも煮つけで美味でした。このヒノマルテンスも煮つけで頂きました。醤油などで煮たため、残念ながら茶色くなってしまいましたが、それでも赤色斑は地色と違う色をしています。身はやはりやわらかくて美味でした。
このほか、観賞魚として販売されることもありますが、あまり多くは獲れないのか、入荷量は少ないです。
そのほかのテンスの仲間たち
テンス属の種はインド~中央太平洋に20種あまりが知られています。沖縄ではほかにも何種かおり、背鰭棘が伸びないということでハゲヒラベラやホシヒラベラ、モンヒラベラなどの種と近縁とされます。
またホウキボシテンスという種は体側前半部に大きな暗色斑があり、一見ヒノマルテンスに似ていますが、尾の部分に細い縦帯があることで見分けられます。
そのほかの「日の丸」魚たち
種の標準和名に「ヒノマル」とつく日本産種では、ほかにハゼ科イトヒキハゼ属のヒノマルハゼと、ハタ科イズハナダイ属のヒノマルハナダイがいます。しかしヒノマルハゼは全身が暗色で大きな黒色斑があるだけです。
ヒノマルハナダイについては体側が白っぽくなっているところに大きな赤色斑があることからその名前がついていますが、これらの魚が「日本の国旗に似ているか?」と言われると、微妙なところがあります。やはりこれら2種よりも、ヒノマルテンスこそが「日の丸の魚」にふさわしいでしょう。
(サカナトライター:椎名まさと)
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