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本物の「アラ」

長崎県産のアラ(撮影:椎名まさと)

種の標準和名でアラ(学名 Niphon spinosus)という魚もいます。アラは従来はハタ科の中に含められてきましたが、現在は1属1種のみが含まれるアラ科とされています。

基本的にこのアラというのはクエよりも深い海に生息しており、九州以北では水深100m以深に見られ、沖縄ではハマダイなどの「まち類」よりも深い500mほどの海域から水揚げされるようです(下瀬 環 著「沖縄さかな図鑑」沖縄タイムズ社、2021年)。

見た目はクエやほかのアカハタ属の魚よりもスズキのようにも見え、実際にハタ科の中に含められる前はスズキ科の中に含められていました

アラの前鰓蓋隅角に大きく鋭い棘がある(矢印)(提供:椎名まさと)

アラはクエと比べると吻がやや長く伸びること、前鰓蓋隅角(えら蓋の端)に大きな棘があること、背鰭棘が13棘あり、11棘のクエよりも多いことで見分けられます。

クエの前鰓蓋隅角には小さな棘が複数ある(矢印)(提供:椎名まさと)

また幼魚のうちは、体側に黒い縦帯があることなどでも見分けることができます。刺身や鍋物などで極めて美味であり、本種も高級魚とされています。

アラもクエもどちらも美味しい高級魚

アラもクエもどちらも非常に美味な魚です。しかしながらどちらも高級魚であり、なかなか庶民の口には入るものではありません。

ぜひ食べる機会がありましたら頭部や背鰭棘なども見て、同定してみましょう。

(撮影:椎名まさと)

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椎名まさと

魚類の採集も飼育も食することも大好きな30代。関東地方に居住していますが過去様々な場所に居住。特に好きな魚はウツボ科、カエルウオ族、ハゼ科、スズメダイ科、テンジクダイ科、ナマズ類。研究テーマは魚類耳石と底曳網漁業。

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