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「くろかんぱち」とも呼ばれる魚<スギ> 大きな生き物にくっつく習性はまるでコバンザメ?

スギはスズキ目・スギ科・スギ属の海水魚です。1科1属1種であることでも知られている魚ですが、このスギは外見や習性についてはある魚とよく似た特徴を有しており、身についてはまた別の魚の名前を使って販売されていたことがありました。

今回はそんなスギについてご紹介します。

スギってどんな魚?

スギの背鰭棘(撮影:椎名まさと)

スギはスズキ目スギ科スギ属の海水魚です。

全長1.8mに達する大型魚で、アジの仲間に似た見た目をしていて第1背鰭は棘状で、ブリモドキと同じように鰭膜がなく、つながっていないという特徴があります。

尾鰭は幼魚では円形ですが成魚ではよく湾入するのも特徴です。

スギに近い仲間は?

スギ科はスギ1種からなります。しかし、スギの幼魚や若魚を見ていると、ある魚に非常によく似ていることがわかります。コバンザメです。

コバンザメ(撮影:椎名まさと)

平たい頭部、幼魚や若魚に見られる体側の縦帯などなど、コバンザメとの共通点をいくつか挙げることができます。しかし、スギとコバンザメでは大きく異なる点もあります。それはコバンザメでは頭部背面に大きな吸盤を有しているのに対し、スギではそれは見られないのです。

しかしながら、スギもコバンザメのように大型魚と深い関係を有しています。高松(1967)によれば、大分生態水族館(現大分マリーンパレス水族館「うみたまご」)で飼育されていたスギが大型魚(マダラエイ)に随伴し泳ぐ様子が詳細に記録されています。

ほぼ1日中マダラエイに随伴して泳ぎ、飼育係がマダラエイの口に餌を押し込み吐き出した餌を、飼育係が拾う前に「横取り」していたといいます。

またマダラエイが死亡した後、アカエイやドチザメなどに対しても随伴し泳ぐ行動が観察されています(ただし、マダラエイに対しての随伴ほど密接なものではない)。

なお1967年当時はスギはスズキ目、コバンザメはコバンザメ目とされていることが多かったのですが、高松(1967)の中では、コバンザメとスギの関係について触れられているところは注目に値します。実際、今日ではコバンザメとスギは近い系統に位置づけられるとされており、 多くの魚類関係の書籍で近いページに置かれています。

スギの生息地はどこ?

スギの日本における分布域は北海道日本海岸および太平洋岸から九州南岸、瀬戸内海、琉球列島、小笠原諸島と、ほぼ日本中の海に生息しているといえます。海外でもインド~西太平洋大西洋に広く分布しています。

しかしながら多くは熱帯から亜熱帯の海域で漁獲されています。

近年は東南アジアや台湾などで養殖が盛んに行われており、国内でも台湾から幼魚を購入して種苗生産をしているといいます。

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椎名まさと

魚類の採集も飼育も食することも大好きな30代。関東地方に居住していますが過去様々な場所に居住。特に好きな魚はウツボ科、カエルウオ族、ハゼ科、スズメダイ科、テンジクダイ科、ナマズ類。研究テーマは魚類耳石と底曳網漁業。

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