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南極海域にすむ<コオリウオ>の特徴や生態 血液が無色透明な理由とは?

コオリウオという魚を知っていますか? 南極の冷たい海域にすむコオリウオは赤血球をほとんどもたないため、血液が無色透明であることで知られています。

この記事では、コオリウオの特徴や生態、血液が透明な理由などについて解説します。

南極海の冷たい水域に生息している魚

コオリウオは、南極海の冷たい水域に生息する魚の一種です。普段は基本的に海底付近で生活し、他の小魚や小型の甲殻類を食べています。

南極地域の厳しい環境にみごと適応しているコオリウオは、数ある水生生物の中でもひときわ変わった生態をもつことで知られており、研究対象としても注目の存在です。ただ、その生態についてはいまだ明らかになっていない部分も多いとされています。

南極の海(提供:PhotoAC)

コオリウオの最大の特徴は、脊椎動物で唯一、血液が無色透明であることです。

透明な血液の中には、一種の抗凍結タンパク質が含まれています。この特殊なタンパク質のおかげで、コオリウオは氷点下の海水中でも凍らずに生存していられると考えられています。

コオリウオの血液はなぜ透明?

私たち人間を含むほとんどの動物の血液が赤いのは、血液内に赤血球という細胞が存在するためです。赤血球はヘモグロビンという鉄を含む物質を含むため、赤い色をしています。

普通、魚の血は赤い(提供:PhotoAC)

ところが、コオリウオの血液の中には赤血球がほとんどありません。また、わずかに有している赤血球の中にはヘモグロビンがないため、血液は赤ではなく、透明に透きとおった色をしているのです。

コオリウオがヘモグロビンをもたない理由は?

では、コオリウオの血液内にヘモグロビンがないのはなぜなのでしょうか。その理由は、コオリウオの生態環境に起因するのではないかと考えられています。

南極の過酷な環境にみごと適応しているコオリウオは、適応の過程において身体的にもさまざまな変化を重ねていったと考えるのが自然でしょう。ヘモグロビンの欠落も、その進化過程の一つではないかという説があります。

また、血液が透きとおっていることにより視覚的に海水中に溶け込みやすいため、捕食者に見つかりにくい効果があるのではないかという一説も。実際、多くの魚のエラは赤色やピンクですが、コオリウオのエラは白っぽく、周囲になじむ目立たない色をしています。

コオリウオの身体的特徴や生態については、現在も多方面から調査が進められています。極寒の海に溶け込んで優雅に泳ぐその姿、ぜひ一度生で見てみたいものですね。

(サカナトライター:糸野旬)

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糸野旬

お魚好きなフリーライター。学生時代は生物学を専攻していました。水生生物たちの神秘的で奥深い魅力について、心を込めてお伝えします。

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