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幻想的な世界で出会えたペアのユウゼン

最後に来たのはガイドさんをつけないと来れない特別な場所。ここに生息しているサンゴはスギノキミドリイシというこれもまた希少なサンゴです。

シュノーケルするやいなや、幻想的なスギノキミドリイシの世界が広がります。その上を悠々と泳ぐアオウミガメ。そしてサンゴを食い荒らすオニヒトデ

スギノキミドリイシの群生(撮影:みのり)

彼らを観察しながらも、ユウゼンの気配はなし。やっぱりそう簡単に見られる魚ではないのだろうか。

そう諦めかけていた時に、オニヒトデのすぐそばを横切る2尾の魚。見たいと思っていた、友禅染のような模様をした、あの魚が…!

ユウゼン(提供:みのり)

ようやく会えました。ユウゼンです。2尾仲良く寄り添って泳いでいました。

後になって知りましたが、ユウゼンは長期間ペアで同じ場所(なわばり)に棲むそうです。ペアは最長1067日、なわばり定住期間は1169日にものぼるそうです。今回観察できた2尾のユウゼンも恐らくペアだったのでしょう。

僕が近づくと2尾ピッタリくっつきながら逃げていきました。まさにおさかな界のオシドリ夫婦です。

ユウゼンを見るためには

今回はユウゼン観察以外に他の目的もあったため、限られた時間の中でユウゼンを探索しましたが、それらを通して分かったことがあります。「時間をたくさん取ってダイビングしたほうがいい」ということです。

上述のように、ユウゼンのペアは基本的に長時間、同じなわばりに滞在します。つまり色んな海岸やビーチを回り、ひたすらそのなわばりを探すのが確実なのです。

今回は運よくユウゼンの居る場所をピンポイントで当てることができましたが、正直かなり強運だったと思います。

また、ダイビングをすると、ユウゼン玉というユウゼンが群れる現象を見ることもできます。

皆さんもぜひ、ユウゼンを探す旅に出かけてみてはいかがでしょうか。

(サカナトライター:みのり)

参考文献

葛西臨海公園、ユウゼンの海 小笠原のユウゼンを追いかける

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みのり

みのり

センス・オブ・ワンダーを大切に

北里大学海洋生命科学部卒・元水族館飼育員。魚類・クラゲはもちろん、イルカの飼育も担当。非常に多趣味で、生き物観察やフィールドワークはもちろん、映画や読書、ゲームも好き。多趣味ゆえの独自の視点、飼育員視点を交えつつ、水生生物やそれを取り巻く自然環境、文化、水族館の魅力を発信していきます。

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