ワレカラは何を食べる?
結論から言うとワレカラはなんでも食べます。ただし、それはほとんど生餌です。筆者が飼育していた際も人工餌に反応したことはありません。
生餌は水を汚しやすいため、水質の変化に注意しましょう。生餌として適しているのは植物プランクトンの珪藻やクラゲの餌としても有名なブラインシュリンプ(アルテミア)です。
特にトゲワレカラやオオワレカラのようなメジャーで採集しやすいワレカラは比較的大型のため、ブラインシュリンプが大きさ的にも丁度よく、また栄養価も高いため一番適していると思います。
ワレカラがブラインシュリンプを捕らえる狩りの瞬間も見られるため、面白いです。ワレカラが繁殖して赤ちゃんが生まれた場合は珪藻を与えるといいと思います(珪藻の入手が難しいとは思いますが……)。
基質を入れてあげよう
ワレカラは海藻や岩、砂地、はたまたウミガメなど何かしらの基質にしがみついて生活しています。
オオワレカラならアマモ、トゲワレカラなら海藻やカキ、ホタテなどについていることもあります。
海藻やカキを入れるのは現実的ではないため、熱帯魚ショップに売っている人工水草や擬岩、ロープなどを張り巡らせてもいいと思います。ワレカラたちが掴まり、安心できるような基質を入れましょう。
オオワレカラならアマモに似た人工水草を、トゲワレカラならロープや擬岩をといったように、可能であれば彼らが普段掴まる基質に近いものを用意してあげましょう。
ワレカラ飼育はロマン
ここまで紹介してきたように、ワレカラ飼育は中々難しいです。海水魚の飼育経験がある方はその知識をある程度生かせられるとは思います。
しかし、彼らは寿命も短く、数ヶ月で忽然と姿を消します。繁殖も可能ですが、生まれた赤ちゃんワレカラもいつの間にか消えていることが多いです(恐らく共食いしていると思われます)。
長期的にワレカラ水槽を維持することは非常に難しいです。それでも、基質に掴まってヘドバンしている姿や、水中をイモムシのようにくねらせて泳ぐ姿は他のどの生き物にもない魅力です。
海水魚の飼育経験がある方がいたら、是非ともワレカラ飼育をはじめてみてください。きっとほとんどの方が、これまで味わったことのない、不思議なワレカラ飼育の魅力に取り憑かれていくはずです。
なお、飼育を始めたワレカラは絶対に放流しないようにしましょう。
(サカナトライター:みのり)
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