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海水魚飼育を助ける<リフジウム水槽> リフジウム水槽とは?導入にメリットはある?

リフジウムという言葉をきいて、ピンとくる方は少ないのではないでしょうか?

あまり知られていませんが、海水魚を飼育するマリンアクアリウムという分野において使われる言葉なのです。

リフジウムは refuge[避難]aquarium [水槽]という言葉を繋げた造語です。本水槽と接続された隔離水槽という意味になりますね。海水魚水槽では一般的に、海藻を育てる隔離水槽の意味で使われます。

この記事では、そんなリフジウムについてそのメリットや筆者が実際にリフジウム水槽を導入した感想を紹介します。

海藻を育てるメリット

マリンアクアリウムにおいてなぜ海藻を育てるかというと、本水槽の生物が排出する排泄物や餌の食べ残しなどから発生するリンや硝酸塩などの分解されにくく溜まりやすいものを海藻が吸収してくれるためです。

海藻はそれらの栄養分を吸収して成長します。

リフジウム水槽(撮影:さかなのみかた)

成長した海藻をトリミングすることで吸収したリン硝酸塩と一緒に水槽外へ出すことができます。

他にも、海藻の光合成による水中への酸素の供給やいじめられた魚の隔離水槽として使えるというメリットもあります。

実際にやってみてどうだったか

筆者も実際にリフジウム水槽を使っています。

主に海ぶどうタカノハヅタジュズモなどを入れて管理しています。リフジウム水槽がある時となかった時を比較した感想を以下に記載します。

海ぶどう(撮影:さかなのみかた)

まず、水換えの頻度が減りました。水槽は水量が増えるほど、水質を安定させることがあります。リフジウム水槽があることで、結果的に管理する水量が増え、水質の安定に繋がりました。

また、飼育している魚たちが以前に増して長期飼育しやすくなりました。水質の安定に加え、海藻があることでヨコエビなどの有益な微生物の発生が多くなったことも一因として考えられるのではないかと思います。

リフジウム水槽の所感

次に、定量的な感想です。硝酸塩の数値とリン酸塩など、分解されづらく蓄積しやすい物質が、ゼロに近い数字をキープできるようになりました。また、溶存酸素量が増加しました。

これはあくまで私の水槽での感想なので、飼育の仕方や本水槽の生体の数や水量、リフジウム水槽内での海藻の量などによって結果は変わると思います。しかしリフジウム水槽を使うことによるメリットはとても多いので海水魚水槽で上記のようなメリットを得たい方はぜひ検討してみてくだい。

また、海水魚を飼っているけど飼育が上手くいかないという方にもおススメですのでぜひチャレンジしてみてください。

飼育を始めた海藻は絶対に海や川に捨てないようにしましょう。

(サカナトライター:さかなのみかた)

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さかなのみかた

さかなのみかた

魚の見方をちょっと変えると新しい発見が見つかる!

魚の魅力・海の楽しさ・海の環境について伝えていきたい。漁師、商社、海外での養殖など水産流通の川上から川下まで経験した珍魚好きな魚屋です。海水魚や海藻の繁殖、養殖をメインに海に関わりながら起業の準備を進めています。海の環境をもっと良くしていきたい方がいたら一緒に何かやりましょう

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