水産庁は、水産物の消費拡大に向けた取り組みを推進するため、毎月3日~7日を「さかなの日」に制定。特に11月3日~7日を「いいさかなの日」として、魚食推進の強化週間としています。
さまざまな企業・団体が「さかなの日」の賛同メンバーになっており、サカナに特化した本屋『SAKANA BOOKS』もそのひとつです。
この記事では、サカナト編集部とSAKANA BOOKSスタッフが、SAKANA BOOKSにある本の中から魚食に関するおすすめ本をピックアップして紹介します。
今回の記事は「淡水魚食編」。淡水魚だからこそ、各地で継承されてきた魚食文化も様々です。きっと、淡水魚の魅力から抱える課題・問題まで、新たな一面が見えてくるはずです。
琵琶湖の魚類図鑑│藤岡 康弘、川瀬 成吾、田畑 諒一(編)
琵琶湖周辺にすむ魚類85種と主な貝類・甲殻類各10種の生態と見分け方、さらに琵琶湖の成り立ちや漁法・食文化などについて、研究者31名が最新研究成果も盛り込んで解説した本格的図鑑。
ただの図鑑ではなく、琵琶湖の環境や文化までが一冊にまとめられています。琵琶湖の伝統食や、漁具、漁法を知るこもでき、淡水魚と人の関わりや淡水漁撈に興味がある人は必読の書となっています。
再考 ふなずしの歴史│橋本道範(著)
ふなずしは、中国大陸もしくは東南アジアから伝わり、「日本最古のスシ」といわれる代表的ななれずしの一種。琵琶湖産のニゴロブナをつかった滋賀県の郷土料理として、全国的に知られています。
この本では、中世・近世のふなずしの歴史を隅々まで読み解きます。ひとつの食文化を対象にルーツを深く探っていくのは単純におもしろく、さらに「ふなずし」を食べたくなるというおまけつき。ぜひ、ふなずしの歴史を覗いてみてください。
完全攻略!鮎fanatic│坪井潤一、高橋勇夫、 高木優也(著)
アユは日本の河川を象徴するような存在だといえるのではないでしょうか。
そんなアユですが、現在はアユの遡上量が減少しています。この本では、アユを愛する3人の研究者が、アユの生態やアユが遡上する川づくり、さらには研究者目線での釣果があがるテクニックなど、アユに関することを詰め込んだ本です。
アユが好きなら読むべき一冊!
川漁 越後魚野川の伝統漁と釣り│戸門秀雄(著)
新潟県は魚沼地方を流れる魚野川。川名は「サケの多く獲れる川」に由来しているほどだそう。
この地方では、独特の漁法や習俗、文化が守られ、育まれてきました。本書は、埼玉県入間市で郷土料理店を営む著者が、半世紀にわたり魚ごとの漁法や漁具、食べ方などを取材し、まとめたもの。
この本を読むことで、ひとつの川を巡る歴史と文化を覗くことができます。人とサカナの営みを見つめなおせる一冊、ぜひお手元に置いてみてはいかがでしょうか。
きっかけはコイの歯から 魚と米と人間のかかわり│中島経夫(著)
魚の喉(のど)に歯があることを知っていますか?
コイ科魚類の咽頭歯(いんとうし)研究を通して、魚類学、古生物学、考古学、さらには漁撈と稲作……と様々な視点から、筆者が魚と米と人の関わりを紐解く過程を追体験できる一冊です。
日本における稲作とコイ科魚類の歴史や関係が気になる方にはもちろん、また琵琶湖をはじめとした淡水漁撈や、琵琶湖博物館での一般の方を巻き込んだ調査研究の過程など、魚と人の関わりや地域に根差した活動に興味がある方にもおすすめです。
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