今年6月、北海道江別市の河川で釣獲されたアメリカナマズ。その後の調査では道内で本種を得ることはできず、97箇所に及ぶ調査でもDNAは検出されなかったといいます。
このことから環境省は、現時点で道内で定着している可能性は低いとしています。同時にアメリカナマズと疑い魚を発見した場合には情報を提供してほしいと呼びかけています。
アメリカナマズとは
アメリカナマズ(Ictalurus punctatus)は北米を原産地とするナマズ目の魚で、正式名称はチャネルキャットフィッシュといいます。
日本国内では霞ヶ浦をはじめ、愛知県などで確認されており、特に霞ヶ浦では爆発的に数を増やしている魚です。
本種は、生態系に大きな影響を及ぼすことから2005年「特定外来生物」に指定。外来生物法に基づき、飼育・運搬・放流等が禁止されています。
北海道でアメリカナマズが見つかる
アメリカナマズは水温0~32℃で生存可能であり、これまで霞ヶ浦、北浦、利根川水系、滋賀県、島根県、愛知県、福島県等で確認されています。
しかし、今年6月、北海道江別市中島の河川でナマズ目の魚が釣獲され話題となりました。
ナマズ目の魚が釣獲されたのは6月23日で、翌日には環境省に通報があり、その後の専門家による同定で、ナマズ目の魚はアメリカナマズ(Ictalurus punctatus)と判明。本件は北海道におけるアメリカナマズ発見の初の事例となったのです。
今のところ定着の可能性は低い
今回、北海道で発見されたアメリカナマズの侵入経緯は不明ですが、人為的な理由以外に本種が北海道まで移動するのは難しいと考えられています。
幸いにも、後に行われた調査ではアメリカナマズは発見されず、道内の97箇所からDNAが検出されなかったことから現時点では定着している可能性は低いとのこと。しかし、今後も道内で発見される可能性があるため、もし見つけることがあれば速やかに通報しましょう。
また、アメリカナマズをはじめとする特定外来生物の生きたままの放流・運搬等は法律で禁止されています。これ以上、被害を広げないためにも一人一人が外来種に対する意識を向上させる必要があるのではないでしょうか。
(サカナト編集部)
参考
(北海道の川で見つかった特定外来生物“アメリカナマズ”「道内の河川に定着している可能性低い」環境省調査-Yahoo!ニュース)