「あなたの好きな水生生物はなんですか?」と聞かれたらどう答えますか。私なら“クラゲ”と即答します。
一般的にクラゲと聞くと、「毒を持っているから怖い」や「色や形が気持ち悪い」など恐怖心を抱く人も少なくありません。でも私は全くそう感じませんし、むしろクラゲには沢山の魅力があると考えるうちの1人です。
そんな私が思う、クラゲの良さや魅力をご紹介します。
リラックス効果のあるクラゲの神秘的な動き
クラゲといえば、あの独特な動きをイメージする人が多いでしょう。
実は、クラゲは自ら泳ぐことができないため、水の流れに沿ってゆらゆらと動いています。でも、まるで自分の力で泳いでいるように感じるあの動き、なんとも神秘的で、ずっと見ていたくなりませんか?

私は水族館へ行ったら真っ先にクラゲエリアまで向かい、ガラス越しに軽く10分~15分ほどはゆらゆらと動くクラゲたちに見入ってしまいます。
仕事やプライベートで切羽詰まった時や人間関係で嫌な気分になった時、あの動きに何度も助けられてきました。
クラゲの豊富な色や種類
クラゲは色や種類が豊富であるため、それぞれの種の個性が楽しめます。
例えば、私がいちばん大好きなアカクラゲは、その名の通り赤褐色をしており、なんといっても2メートル以上もある触手が特徴的なクラゲです。
その触手は猛毒を持つため、刺されるとものすごく強い痛みを伴ってしまう恐ろしい部分はあるものの、水中でゆらゆらと動きながら長い触手を放物線に描く姿は、まるでアートのようだと思います。

水族館で見る機会の多いミズクラゲは、体の真ん中にクローバーのような模様が入っていることが特徴的です。
この模様はミズクラゲの胃なんです。タイミングが良ければ、ミズクラゲの胃の部分がご飯のプランクトン色にほんのり染まっている姿が見れるかもしれません。
このように、色や種類によって楽しみ方が様々な部分も、クラゲの魅力のひとつと言えるでしょう。
クラゲには心臓や血管などの循環器がない
クラゲには心臓や血管などの循環器がありません。
「心臓や血管などの循環器を持たないことが、クラゲの魅力なのか」と疑問を抱く人もいるでしょう。でも私はこの点に、物凄く魅力を感じます。
クラゲには循環器がないのですが、ではどうやってクラゲたちは生きていると思いますか?
実はクラゲたちは、彼らの特徴でもある傘を開いたり閉じたりして、まるでポンプのように扱うことで、体全体に血液や酸素などを送らせて生きているのです。

つまり、クラゲは一見ゆらゆらと優雅に泳いでいるように見えるのですが、その裏では生きていくために必死に活動しているというわけなのです。
凄く神秘的で、クラゲに対していろいろと考えさせられる部分だと思いませんか? こういった考えを持ちながらクラゲを見てみたら、思わず「クラゲって凄いな……」と関心させられます。
だから私は、心臓や血管などの循環器を持たないクラゲに対して魅力を感じ、どの水生生物たちよりも愛してやまないのです。
水族館でもぜひクラゲを見てほしい
クラゲの良さや魅力を紹介しました。他の水生生物たちにも、沢山の良さや魅力があり、見ている人たちの癒しである存在だと思います。
でも、私が大好きなのは、クラゲです。
今後もし水族館へ行かれた際は、クラゲエリアを素通りせずに立ち止まり、水槽のガラス越しに映るクラゲたちの姿を見てみてください。この記事でお伝えした良さや魅力を存分に感じていただければ嬉しいです。
クラゲの良さや魅力が、少しでも多くの方に伝わりますように……。
(サカナトライター:米澤菜保)