北海道白糠町で地域の水産資源の高付加価値化を目指す株式会社イミューは、地元で「タンタカ」と呼ばれるカレイを活魚で送る実証実験「空飛ぶタンタカ プロジェクト」の開始を発表しました。
6月よりスタートしたこのプロジェクトでは、白糠町で水揚げされたカレイをその日のうちに東京・豊洲市場へ活魚輸入することを実現しています。
豊かな漁場を有する北海道白糠町
白糠町は北海道東部、釧路管内の西部に位置し、太平洋に面した豊かな漁場を有する町です。
この地域では、白糠漁港を基地として沿岸漁業を主体に漁獲があり、秋サケやシシャモ、ケガニ、カレイなど様々な水産物を水揚げされています。
白糠町の魚「タンタカ」とは?
この地域で水揚げされているカレイとして松皮ガレイ(マツカワガレイ)、柳カレイ(ヤナギムシガレイ)が有名です。

松皮カレイは高級魚として知られており、別の地域では「王鰈(おうちょう)」としてブランド化。松皮カレイと柳カレイのどちらとも、カレイ類の中で最上位の味と評されています。
また、白糠町ではカレイ類を「タンタカ」と呼んでいますが、タンタカはアイヌ語に由来。白糠市街から国道392号を約16キロ北上した場所には「タンタカ(鍛高)」という地があり、カレイがこの地までさかのぼったという伝説から地名になったと言われています。
白糠町での高付加価値漁業
北海道白糠町で地域の水産資源の高付加価値化を目指す株式会社イミューは、町や白糠漁業協同組合との連携して「鮮度保持水槽施設」の実証実験を実施しています。

この施設は生きたまま港へ持ち帰った魚を水槽へ放ち低活性化させる技術を採用しており、漁のストレスにさらされた魚を落ち着かせ、エサは吐きを促すことで臭みのない美味しい身になるといいます。
運用初年度となる2024年には、天然ブリで実証実験を開始。船上での選別や生けす整備など協力体制のもとでノウハウを蓄積しました。数日間の低活性化後、神経締めと血抜きを行うことで、付加価値の高い出荷を実現しています。
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