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美術のように人の想像力を刺激する観賞魚の世界と品種改良の現実【私の好きなサカナたち】

Webメディア『サカナト』には様々な水生生物好きのライター(執筆者)が所属しています。そんなライターの皆さんが特に好きなサカナ・水生生物について自由闊達に語らう企画「私の好きなサカナたち」。今回はサカナトライター・コトイロドリさんによる「私の好きなサカナたち」をお届けします。

私は水生生物の中でも、いわゆる「観賞魚」が好きです。熱帯魚や錦鯉など、いろとりどりの観賞魚がゆったりと水中を泳ぐ姿には癒されます。

サイズの大きい観賞魚も素敵ですが、どちらかというと小さな魚が水槽の中で世界を作っている様子を見るのが好きです。自分が小柄なので、親近感があるのかもしれません。

人の想像力を刺激する観賞魚

生態系の再現とは違う観賞魚の世界(提供:PhotoAC)

観賞魚は、モチーフにしたハンドメイドやアート作品が多いのも魅力です。頻繁に調べているので、私のSNSはそれらのおすすめ画像で溢れてしまいました。

観賞魚をモチーフにした作品には、作者の愛が込められていますよね。観賞魚を飼育できない人にも手にとってもらえ、魅力を伝えられるのも素敵だと思います。

観賞魚の中でも好きなのが、美しい尾鰭を小刻みに動かして泳ぐ姿が愛らしい「金魚」です。金魚は品種が多く、それぞれが個性的なので見ていて飽きません。

特に私が魅力を感じるのは、丸く膨らんだ腹部と真珠ような美しい粒状の鱗が特徴の「ピンポンパール」という品種です。大きなお腹を左右に振りながらゆっくりと、不器用ながらも懸命に泳ぐ姿がいじらしく、じっと見入ってしまいます。

大好きなピンポンパール

そんなピンポンパールですが、病気に弱く、適切に飼育しなければすぐに命を落としてしまいます。

また、他品種の金魚と一緒の水槽に入れると、泳ぎの遅さが原因でエサの取り合いに負けてしまい、栄養不足で弱ってしまうこともあるのです。

ピンポンパールもそうですが、そもそも金魚の品種ほとんどが自然に生まれたものではなく、品種改良によって産み出されています。きれいな金魚たちは人の都合によって生まれ、そのか弱い命を人によって繋げられているのです。

ピンポンパールは私に安らぎや勇気を与えてくれますが、生き物の生き方や人間のあり方について問いも与えてくれます。

美しい見た目で惹きつけ、心に波紋を残す姿は、まさに芸術作品のようですね。

背景も含めて、心をとらえて離さない生き物だと思っています。

私は観賞魚、とりわけ一生懸命に生きている姿が心を打つピンポンパールという金魚が好きです。みなさんにも良さが伝わり、その命が大切にされてほしいと願っています。

(サカナトライター:コトイロドリ)

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コトイロドリ

コトイロドリ

「やさしいことば」で伝えるライター

「やさしい(優しい・易しい)ことば」を大事にしている、フリーランスのライター兼編集者。水生生物の魅力や環境保全の大切さなどを、温かみのある表現で分かりやすくお伝えします!

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