キンメダイは金色に輝く大きな目と、鮮やかな赤い体が印象的なキンメダイ科の深海魚です。
その華やかな見た目から「めでたい魚」として祝いの席に選ばれています。しかし、キンメダイの赤い色は単なる美しさだけではなく、栄養価の高さや鮮度の良さを示すサインでもあります。
美味しいキンメダイを選ぶポイントを知ると、美容や健康への意識も高まるでしょう。
赤い色素「アスタキサンチン」の栄養価
キンメダイの鮮やかな赤色の正体は、「アスタキサンチン」と呼ばれる天然の色素成分です。
サケやエビ、カニなどが赤くなる理由と同じ色素で、キンメダイはエビやカニなどの甲殻類を食べることで体内にこの成分を蓄えています。
キンメダイ(提供:PhotoAC)アスタキサンチンは抗酸化作用を持ち、ビタミンEの約1000倍、ビタミンCの約6000倍の抗酸化力があると言われています。
このほかにも、パソコンやスマートフォンの使用で疲れた目の健康維持や、体内の慢性的な炎症を抑える効果も報告されています。しかし、キンメダイの健康効果はそれだけではありません。
キンメダイの優れた健康効果
キンメダイの身に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)にも注目してみましょう。
キンメダイ(提供:PhotoAC)EPAは血液をサラサラに保ち血栓の発生を防ぐ働きがあります。これにより、動脈硬化や心筋梗塞といった生活習慣のリスクを下げる効果が期待されています。
また、DHAは脳や神経の働きに関わる成分で、記憶力や学習能力の維持、子どもの脳の発達をサポートし、さらには認知症予防にも効果があるとされています。
美味しいキンメダイの見分け方
美味しいキンメダイを選ぶポイントは、その「赤み」。赤色が鮮やかなものほど鮮度がいいとされています。
さらに、目が金色に澄んでいて、体全体にハリとツヤがあり、ウロコが綺麗に残っているものも鮮度が高い証拠。お店でキンメダイを選ぶ際は、この4つのポイントに注目してみてください。
キンメダイのお頭付きの刺身(提供:PhotoAC)キンメダイの旬は年に2回あります。寒さに備えて栄養を蓄える冬(12月~2月頃)と、産卵期に向けてエサを多く食べる初夏(6月~7月頃)です。
産地にもよりますがどちらの時期も脂がのり、美味しいキンメダイが味わえます。
キンメダイの美味しい食べ方
調理法としては、新鮮なものならやはりお刺身がおすすめ。
キンメダイのプリプリした身の中に上品な甘みを感じられます。また、EPA・DHAは加熱すると失われやすいため、効果的に摂取したい場合にもお刺身が最適です。
さらに、皮と身の間に旨味が多く含まれているため、皮目を軽く炙る「焼霜造り」にすると、香ばしさと赤い色の美しさを同時に楽しめます。
定番の煮付けも人気が高く、脂が溶け込んだ煮汁にはコラーゲンが豊富に含まれています。加熱しても身が硬くなりにくく、ふっくらとした食感を味わえるのがキンメダイの魅力です。
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