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まるで海の忍者<ハナヒゲウツボ>の七変化? 多彩に色が変わる変身上手な魚

ひらひらと海中を泳ぐ青く美しい体に、鋭く伸びたひげのような突起をもつ、ハナヒゲウツボという魚がいます。その目立つ容姿は水族館でも大人気です。

【画像】岩から飛び出す<ハナヒゲウツボ>!

実はこの魚、忍者のような生存戦略を持っているのが特徴的。ハナヒゲウツボの生態を知ってから観察すると、より面白いですよ。

色が変わる? ハナヒゲウツボの「変身」の仕組み

海中でひらりと青く輝く姿が印象的なハナヒゲウツボ。実は成長段階ごとに体色が劇的に変わる魚です。

幼魚期には黒っぽい体色に細長い黄色い帯が目立ち、成長すると青い体に黄色い鼻先という鮮やかな姿になります。さらに成熟すると黄色主体に変わり、なんとこの段階で性転換するという生態を持つ変わり者です。

ハナヒゲウツボの幼魚(提供:PhotoAC)

成魚になるとオスからメスへと性が変わる「雄性先熟」の魚で、メスは産卵の約一カ月後に死んでしまい、黄色のハナヒゲウツボを観察することはとても珍しいのだとか。

まさに“変身上手”という言葉がぴったりの魚なのです。

擬態上手な理由は? ハナヒゲウツボの生き残り戦略

ハナヒゲウツボはサンゴ礁域の岩穴や溝に顔だけ出して暮らしていることが多く、鮮やかな体色ながら驚くほど目立ちません。

ハナヒゲウツボ(提供:PhotoAC)

これは、細長い体を砂から少しだけ出したり、岩などに沿わせたりして、背びれの一部や鼻先の突起を海藻のように見せかける擬態戦略と考えられています。

また、性転換後の黄色体になると、産卵に備えて浅場へ移動するという報告もあります。

体色の変化だけでなく、生涯を通した行動変化が生き残りの鍵となっているようです。

水族館で会えるハナヒゲウツボの見どころとは?

水族館で出会えるハナヒゲウツボは、展示される時期・個体・成長段階によって体色が異なります。

そのため「青と黄色の体色」「黒+黄色帯」「全身黄色」というパターンを観察できると、成長ステージの違いを実感できますね。

ハナヒゲウツボの幼魚(提供:PhotoAC)

展示飼育では、単独よりも複数個体を並べて、変身の過程を見せている施設もあります。ハナヒゲウツボに出会えたら、ぜひ「どの色か」をチェックしてみてください。

また、水槽内でひらひらと揺れる様子や岩穴に頭だけ出す姿が見られたら、それはまさに彼らの忍者的なライフスタイルといえます。観賞中に少し待ってみると、思わぬ瞬間が見られるかもしれませんよ。

(サカナトライター:せんば千波)

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せんば千波

せんば千波

見るのも食べるのも魚好き。リアルもゲームも釣りが好き。

ゲームの中でも現実でも釣りが好き。幼少期から熱帯魚や古代魚と暮らしてきました。管理栄養士目線で魚の魅力を発信していきます。熱帯魚ハコフグ推し。

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