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天然能登ぶりの最上位ブランド<煌>の2025初競り結果は? 6つの厳しい審査を突破した1本【石川県金沢市】

石川県漁協かなざわ総合市場で12月1日、「煌(きらめき)」の初競りが行われました。

「煌」は市場の目利き人により厳選された「天然能登ぶり」に付けられる最上位ブランドであり、2022年に知名度向上を目的として認定を開始。「煌」を立ち上げた年である2022年は400万円、2023年と2024年は200万円で落札されています。

今年は事前にエントリーされた21本のうち9本のブリが当日の選抜を突破し、会場に並べられたようです。

石川県のブランド魚<天然能登ぶり>

冬季に漁獲されるブリの通称「寒ぶり」。

水揚げされた寒ぶり(提供:石川県漁業協同組合)

寒ぶりは脂の乗りが非常よいことからブリの旬の1つに数えられ、各地で食用として重宝されています。そんな寒ぶりの有名な産地として知られるのが石川県です。

石川県では冬になると定置網で寒ぶりが漁獲され、11月~翌2月に七尾港や宇出津港で漁獲された7キロ以上の寒ブリは「天然能登寒ぶり」と呼ばれています。

「天然能登寒ぶり」は石川県の冬のプライドフィッシュです。

最上位ブランド「煌」

「天然能登寒ぶり」の中でも最上位ブランドとされるのが、2022年に知名度向上を目的に立ち上げられた「煌(きらめき)」です。

この煌に選定されるには、「県内の定置網で漁獲される天然能登ぶりであること」「14キロ以上であること」「鮮度の徹底」「12月~翌2月に漁獲されたブリであること」「傷がなく胴回りが十分であること」「資源管理への取り組みが積極的であること」といった6つの厳しい条件を満たす必要があります。

「煌」に選ばれた「天然能登寒ぶり」は高値で落札され、これまでの最高落札価格は2022年の400万円。2023年と2024年は200万円となっています。

金縁と白縁

さらには「煌」と同時に立ち上げられた、通称「金縁(キンブチ)」と呼ばれる「天然能登ぶり」のハイクラスも存在します。

金縁(提供:石川県漁業協同組合)

金色に縁取られたラベルが付けられることから「金縁」と呼ばれ、目方10キロオーバーの丸みを帯びた文句なしの天然能登ぶりに与えられるようです。

「金縁」は確かな品質から近年、市場関係者の中で、評価が高まっているとか。

白縁(提供:石川県漁業協同組合)

さらに、2023年からは天然能登ぶりの証明として、定置網名や水揚げ港が記された「白縁(シロブチ)」のラベルが付けられています。これは天然能登ぶりの基準である「7キロ以上」であることを示す証として作られたようです。

かつて、11月~翌2月にかけて定置網で漁獲された7キロ以上のブリをすべて「天然能登ぶり」と呼んでいましたが、ブランド向上のため、白縁から天然能登ぶりと呼ぶようになっています。

歴代最高額タイで落札

今年12月1日の石川県の寒ぶりは県下で合計552本が水揚げ。恒例の「鰤-1(ブリワン)グランプリ」も開催されました。

400万円で落札された「煌」(提供:石川県漁業協同組合)

「鰤-1 グランプリ」には事前にエントリーしていた21本のうち、9本が当日の選抜を突破。その後、市場の目利き人のよる厳しい審査を受け、目方14.5キロ、長さ92.0センチのブリが「煌」に選定されました。

選ばれた「煌」はその証明として、ロゴ・定置網名・水揚げ日を記した、能登ヒバ製の証明書がつけられます。

「煌」は400万円という高値で競り落とされ、去年の200万円と比較すると倍の価格です。また、これは「煌」が立ち上げられた2022年の落札価格と並ぶ高値となりました。

石川県のおいしい寒ぶり

今回、認定された「煌」は400万円という高値で落札され、歴代最高額タイという結果となりました。石川県で水揚げされる寒ぶりは「煌」はもちろんのこと、金縁も白縁も非常に質の高いものとなっています。

天然能登ぶりの季節は翌年の2月まで。この機会に旬のブリの味わってみてはいかがでしょうか。

(サカナト編集部)

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