海水魚採集は自然を相手にする趣味なだけあり、充実する反面、失敗も少なくありません。
筆者も過去にやらかしてしまった失敗があります。“黒歴史”ですが、失敗は次のステップに行くための重要な要素です。
すでに採集している人もこれから始めたい人もいま一度立ち止まり、落ち着いて自身が行っていることを考えてみましょう。
生き物の種類を間違える
海には何万種という生き物が生息しています。
ひとたび、海に潜れば何種類もの生物と出会うことができますが、この中から種類を判別するのは知識と経験が必要です。フィールドで種類を間違えるのはよくあることで、筆者も様々な間違いをしてきました。
例えば、オヤビッチャとロクセンスズメダイを間違えたり、ノコギリハギとシマキンチャクフグや、ミナミハコフグとハコフグがどっちかわからなくなったりしたこともあります。さらには、ダイナンギンポをウツボだと思い大はしゃぎしていたこともありました。
シマキンチャクフグと間違えやすいノコギリハギ(提供:たつ)今では、“科レベル”で間違えることは滅多にありませんが、知識と経験があっても水中での識別が難しい種類は多いです。
道具をなくす、海に落とす……
どんなことでも慣れてきた時ほど油断して失敗をしやすいです。
採集で多いのが道具を無くしたり、海に落としてしまうことです。つい夢中になってしまい、手にもっている物への意識がいつのまにか薄れていることがあります。
網や財布、スマホ、ライト、カメラなどを落とすと、海ゴミになってしまうほか、経済的な負担にも繋がります。
また、水中だけでなく岸壁採集でも、採集道具を落としてしまうのはあるあるです。海という別世界にいるときは落とし物をしないように最大限の注意を払ってください。
車の鍵を落とすと大変
特に車の鍵を無くしてしまうと大変なことになってしまいます。
例えば、水着のポケットにしまったまま海へ入ってしまい、紛失してしまうケース。この場合、もちろん車が開かないので、車内へスマホや財布を取り出せません。そのため、ロードサービスにレッカーしてもらうか家までスペアキーを取りに行くなどなんとかして、車の対応と自身が帰る段取りを組むことになります。
この際、落としてしまった鍵を潜って探すのは危険なので絶対にやめましょう。
筆者の場合、バスと電車を使用して家まで帰り、再度電車を乗り継いで車のところまで戻りました。無くしてしまった失敗そのものより、「その後の動き」が重要になってきますので落ち着いて対応することが重要です。
忘れ物も注意
採集家が必ずやってしまう過ちが忘れ物です。駐車場で気づいたり、海まで数メートルのところで気づいたりすることもあります。
朝早く家を出るので出発後、ゴミ出しを忘れてしまったなんてことは可愛い方。しかし、致命的な忘れ物をすると最悪の場合、潜れないこともあるので注意しなければいけません。
採集を繰り返すうちに、必ず一度は“ああ、やってしまった”と思う瞬間が訪れます。
よくある忘れ物は採集用の網。車に積むことは忘れないですが、車内へ忘れてきてしまい海へ入る直前に気付くことが多々あります。駐車場から500m離れていたり、山道だったりすると取りに戻るのにかなりの労力が必要です。
重い忘れ物
ウエイト(おもり)もよく忘れる物の1つでしょう。
ウエイトがないと非常に不便です。なぜかというと、これがないと体を沈めることができないので、採集は高難易度になってしまうからです。
しかし、ウエイトは重いものなので、室内に置かずにベランダの下や玄関に放置してしまいがち。それに気づかず当日、自宅に忘れてしまうのです。
忘れ物しやすさNo1 ウエイト(提供:たつ)近所だったら取りに帰るレベルのもので、遠出してしまった時は途方に暮れます。コンビニやホームセンターにも売っていないので現地調達もできません……。
車にも置き忘れることがあり、5キロ前後と重いので後回しにしてつい腰に巻き忘れたり、持ち忘れてしまいます。
天気のチェックも忘れずに
久しぶりに海に潜る時、やってしまうことが前日に天気をしっかり調べないことです。
社会人になると休みが限られてしまい、プライベートの用事をこなしながら合間を見つけて海へ行きます。海に行く時がその時しかなく、その瞬間に全てを賭けるせいで、潜れたら潜ろうなどといった中途半端な気持ちではいられません。
その結果、潜ることばかりに意識が集中してしまい、天気のことなど気にしなくなってしまいます。そういった気持ちでいざ海に行くと、波が高かったり、寒かったりして後悔することがあり、最悪の場合何もせずに帰宅ということも少なくありません。
今では時間を有効に使うため、しっかり天気を見て潜れる状況なのかを確認し、時には潔く海に行くのを諦める気持ちでいます。
失敗は現場に落ちている
魚採集というのは魚を捕まえて成功、逃げられて失敗という結果にこだわってしまいがちですが、それ以前に“無事に帰る”のが大前提です。
忘れ物など小さいものから重要なトラブルに発展することもありますから、その都度しっかり振り返り、反省して次に活かせるようにしましょう。
失敗ではなく、“収穫”と考えましょう。たとえ魚を連れて帰れなくても、無事に戻れたら大きな収穫です。
海は逃げません。私たちが学ぶ準備を待っているだけです。採集初心者の人も経験者の人も、いま一度、採集成功より安全にその日を終えられたかで評価してみるのはどうでしょうか。
(サカナトライター:たつ)