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「こんなに楽しい生きものがいるんだ」と知ってほしい 海の生きもの作家・SHACHIKOさん

サカナに特化した本屋・SAKANA BOOKS(サカナブックス)で2023年8月からスタートした水生生物クリエイター向けの棚貸しサービス『SAKANA APARTMENT(サカナアパートメント)』。

今回はSAKANA APARTMENT 301号室に現在入居中のSHACHIKOさんに、水生生物や制作活動への思いを語っていただきました。

SHACHIKO:海の生き物をモチーフとしたイラストや、世界に一つの手描きアクセサリー類を制作。淡くてキラキラした海の世界にすむ、可愛くてカッコイイ海の生き物を、日常にさりげなく取り入れたい、そんな思いを叶える作品が特徴。Instagram:@shachiko0410

(SAKANA APARTMENTのブース。キラキラ魅力的なお品物がたくさん!/提供:SHACHIKO)

活動は幅広く!イベント出展やSNSでの発信も

━━━現在SAKANA APARTMENTでは、さまざまな水生生物のアクセサリーやキーホルダーを置いていただいています。普段は主にどのような作品をつくったり、活動をされたりしていますか?

元々イラストを描いていたので、それを続けるかたわらSAKANA BOOKSに作品を置いたり、イベントに出展したりするためのアクセサリーを制作したりしています。最近はイラストに比べてより販売しやすいアクセサリーやエコバッグなどをつくることが多くなっていますね。

あとは、個展を何年かに一度くらいの頻度で開催することをいつも目標にしていて、それに向けてイベント(※)などに出展するようにしています。もしかしたらそのようなイベントに足を運んでくださった方には、(小物類の)物販がメインの作家だと思われているかもしれません(笑)

※イベント:デザインフェスタ、東京海洋大学 うみたかマルシェなど

(イベント出展時のご様子。SHACHIKOさんの世界観が広がります!/提供:SHACHIKO)

━━━TikTokでも活動されているのを拝見しました。TikTokをつかう水生生物の作家さんは多くない印象ですが、発信を始めた理由や目的などがもしあればお伺いできますか?

(制作に関して)自分が身につけたいものをつくることが最初だったので、自分を飾っていくことから、次にそれを見てほしいなという思いで宣伝もかねてTikTokを始めました。活動を通してイベントにご来場くださったお客様にも、その先の個展など、自分の空間にいらしてほしいという思いもあります。

(※編集部補足)ちなみにTikTok動画のなかで身につけているシャチの着ぐるみは、お友達からのプレゼントだそう!SHACHIKOさんのご友人さまのセンスも素敵です。気になる方はチェックしてみてくださいね。

いきなりドはまり!海の生きものたちとの関わり方

━━━制作を始めたきっかけはありますか?

昔から制作はしていたのですが、今みたいな感じではなくて、他の生きもの、ウサギなどをモチーフにしていました。いまの活動になったきっかけは、昔から海の生きものが好きだったこともありますが、水族館に行ったりするなかで、いきなりドはまりする瞬間があったんです。

私はなにかにハマると、端から端まで全部それにまつわるものに変えたい気持ちが強くて(笑)。まずは自分の着ているものから、部屋にあるもの、生活や職場、食事まで全部(海にまつわるものに)変えたんです。それが作風にも現れて、部屋のインテリアも自分がつくったほうが早いし、そんなかんじで最初は自分のために制作を始めました。

あとは、日本だと絵を売ることのハードルが高いので、より手に取っていただきやすくて、自分でも身につけたくなるアクセサリーなどをつくっていこうと思い、今のスタイルになりました。

もともとシャチやイルカの仲間も好きだったのですが、それを「身につけたい」という思いになったのは、自分の身の周りにいる何かに没頭している方たちをみてというのもあると思います。いいな、憧れるな、でも私はこのテーマじゃないんだよな、と自分の位置をずっと探していたということもあって。

シャチが好きでも、飼育員さんになりたいというわけでもなく、マリンスポーツをやりたいというわけでもなくて、海とどうやって関わっていけるかなとずっと考えていたなかで、なにかをつくる人になりたいな、という考えに至りました。

きっかけは、海の色への憧れ

━━━水生生物を好きになったきっかけは何ですか?

いろいろ考えたのですが、テレビの影響が大きいかなとおもいます。私は東京生まれなんですが、(テレビで観るような)きれいな海をみたことがなくて。テレビや広告で観たエメラルドグリーンの沖縄の海など、海の色に憧れたのが最初です。

あとはなぜか覚えているのですが、たしか電車のなかに、真っ青な海にイルカが泳いでいるデザインの広告があったんです。それでこんなにかわいい生きものがいるんだ、とそこから好きになって図鑑などで調べ始めました。最初に好きになったのはハンドウイルカで、そこからどんどん掘り下げていきました。

水族館も、幼いころから親に連れていってもらっていました。その記憶ももしかしたら関係あるかもしれません。動物園より、水族館にいくことの方が多かったみたいです。しながわ水族館に通っていて、小学生のころはイルカプールを(集中して)見すぎて貧血を起こしたりしていました(笑)

当時からイルカが好きだったみたいですね。

シャチが好きだから「SHACHIKO」

━━━そのなかでも、一番好きな水生生物はいますか?

いまはシャチでしょうか。基本的に鯨類が好きです。イルカから入って、いろいろな図鑑を読み、シャチに惹かれました。カラーリングやフォルム、顔もかわいいですし、大きくて強い憧れの存在です。それはずっと変わらないですね。

作家としての活動名「SHACHIKO」も、シャチからお借りしたあだ名なんです。イベント出展の際も、名前だけでシャチ好きだとわかってもらえることも多いです(笑)

名古屋港水族館、鴨川シーワールドにも年に数回訪れて、シャチに会いに行っていますよ。できるだけ行きたいなと思っています。シャチに会うことが、いちばん癒されることでもあるんです。

(いちばん好きな、シャチをモチーフとした作品たち/提供:SHACHIKO)

あとは、魚類は大人になってから好きになっていきました。水族館にあらためて行くようになってから、新江ノ島水族館でみた透明感のあるシラスが印象に残ってアクセサリーにもしました。生シラスも美味しいですよね。

同じくモチーフにしているタチウオも、銀色がラメにも使われていたときいて(※)、いつか自分で釣って、本物のタチウオ箔をつかいたいともおもっています(笑)

(※編集部補足)タチウオやニシン、イワシなどの上皮の微細鱗を採集、魚鱗箔を精製し、化粧品や人工真珠製造などに利用する技術があります。参考:銀色に輝く<タチウオ>ってどんな魚? かつてはマニキュアやアイシャドウの原料に – サカナト (sakanato.jp)

生きものを観察するとアイデアを思いつく

━━━モチーフの生きものについては、実際に観察してから制作をされるのですか?

まめに(水族館などに)足を運ぶようにしていて、意識して生きものを見る機会を増やしています。生きものを観察できると、作品のアイデアを思いついたりもするんです。

深海魚も昔は興味があまりなかったのですが、最近どんどん好きになっていますよ。

━━━制作に関しては、どんなときに楽しさや喜びを感じますか?

基本的に全部楽しいのですが、あまり器用なタイプじゃないこともあって、アクセサリーのレジン加工などをする作業のときよりも、実際に作品をつくり始めたときや、絵を描いているときでしょうか。

つくることが全部好きというよりは、(アイデアを)考えて思いついたときや、作品をご覧くださった方にいいね!と評価していただけたときにも喜びを感じます。

━━━制作をするうえでの、こだわりはありますか?

あまりデフォルメしたくないということはあります。かといって写真みたいにリアルにしすぎず、アクセサリーに関しては「かわいい」と「リアル」の間くらいにするようにしています。

キャラクター寄りにしてしまうと、私の表現したいものとは変わってきてしまうので、(モチーフにする生きものの)フォルムは借りつつ、色とかを変えてみたり。あまりリアルすぎるデザインになると、自分以外の方にもつくれるものになってくるので、そのようにして自分の個性というか、世界観を出したいとおもっています。具体的には、生きものをすこし明るくして自分っぽい色合いにしてみたり、眼をキラキラにしてみたり、(自分の)好きなように仕上げようと心がけています。

あとは、イラストを描くときはストーリー性を持たせたりもしています。イカだったら、虹に染まった虹イカ、とか見ていて楽しい綺麗な色合いにしてみたりもします。

━━━たしかにひと目見て、SHACHIKOさんの作品はご自身の世界観が伝わってくるため、とてもしっくりくるこだわりポイントです!

(SHACHIKOさんの世界観が反映された素敵ないきものたち/提供:SHACHIKO)

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サカナト編集部

サカナト編集部

サカナに特化したメディア

サカナに特化したメディア『サカナト』。本とWebで同時創刊。魚をはじめとした水生生物の多様な魅力を発信していきます。

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