私は旅行に行くと必ずと言っていいほど、現地の水族館やアクアリウムに足を運びます。沖縄美ら海水族館や新潟市水族館・マリンピア日本海、アトア、鶴岡市立加茂水族館、仙台うみの杜水族館などに行きました。
その中でも特に印象に残っているのが、鶴岡市立加茂水族館です。これまで訪れた水族館とは違う“クラゲ水族館”への訪問は、私がクラゲの魅力に気づくきっかけになりました。
クラゲの魅力に気づいた日
私がクラゲを好きな理由は、神秘的な美しい見た目と、種類によって形や色、光っているクラゲなど多くの種類があり見ていて面白いと感じるからです。
あまりに単純な理由ですが、水族館と言えば迫力のある魚が大きな水槽を優雅に泳いでいて、その魚を楽しむものだと思っていました。
しかしクラゲをメインとした加茂水族館に行ったとき、とても落ち着いた空間に多くの種類のクラゲがライトアップされていて、その魅力に目を奪われました。
一般的に、クラゲと言えば毒を持っている印象のため、クラゲが出始めると海水浴を控えるなど苦手意識を持たれるものです。
しかし水族館でみたクラゲは、ただ穏やかに泳いでおりそれぞれの種類で形が違い、一方ですべてのクラゲがひとつの空間を演出しているような一体感がありました。
そこで初めてクラゲの魅力を肌で感じたのでした。
クラゲは歴史を持つ生き物 その魅力とは
クラゲは、10億年も前から形を変えず生息していたと言われています。
発見された化石は5億年以上前のものと言われており、世界には約3000種類も存在していることから多くの歴史を持った生き物なのです。
また私が最も魅力を感じる部分がクラゲの生態です。
クラゲは95%以上が水分でできており、脳や心臓、血管を持ちません。その代わりに水管と呼ばれるものがついており、水管によって栄養を体内に運んでいます。
クラゲは自身の傘を開いたり閉じたりしていますが、あれが心臓のポンプの役割を果たして全体に栄養や酸素を行き渡らせています。
優雅に泳いでいるように見えるクラゲも、生きるために必死な姿だと感じると見方が変わってきます。
クラゲには調べれば調べるほど不思議な部分や歴史があり、飽きない魅力があります。
クラゲと加茂水族館
私がクラゲの魅力に気づいた思い出の地でもある加茂水族館には、クラゲの魅力が多く詰まっています。
加茂水族館は当初からクラゲの水族館だった訳ではありません。倒産寸前だった加茂水族館を、奥泉和也館長が世界一のクラゲ水族館にまで成長させたという歴史があります。
加茂水族館の奥泉館長は「クラゲ飼育の第一人者」とも呼ばれ、加茂水族館にはクラゲについての多くの情報を知ることができます。
加茂水族館の奇跡の復活から分かるように、クラゲには多くの人を魅了する魅力があり、私もその魅力に気づかされたひとりなのです。
(サカナトライター:nasu阿部)