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市場で<ミル貝>と呼ばれる二枚貝たち 実は複数の種類がいるって本当?

魚屋や寿司屋で時々見かける高級貝「ミル貝」

水産業界でミル貝と呼ばれる貝には複数の種類が含まれており、価格もそれぞれ異なります。

この記事では日本で主に流通する主なミル貝についてご紹介します。

ミル貝は大きく分けて3種類

ミル貝と呼ばれる貝は主に本ミル白ミル黒ミルと呼ばれる二枚貝です。

黒ミルを除く2種は高価で取引されますが、特に本ミルは高級な食用二枚貝として知られています。

流通上、本ミルと呼ばれることが多いですが、標準和名は「ミルクイ」といい、バカガイ科に属する二枚貝です。ミルクイを漢字で書くと「海松食」ですが、これは本種の水管に海松(海藻)が生えている様を海松を食べているように見立てたことに由来します。

本ミルは北海道から九州の広い範囲に分布するものの、漁獲量は少なく、市場でも見ることは多くありません。

なお、本ミルは一部で「クロミル」とも呼ばれることがあるので、後述する「黒ミル」と混同しないように注意しましょう。

白ミルの標準和名は「ナミガイ」

白ミルは比較的よく流通するミル貝で、標準和名を「ナミガイ」といいます。

「白ミル」と呼ばれるナミガイ(提供:PhotoAC)

本種は白ミルと呼ばれているものの、ミルクイとは異なるグループであり、キヌマイトガイ科に属する二枚貝です。また、本ミルと比較して安価で取引されますが味は良く、発達した水管は刺身で食べると非常に美味だといいます。

主に潜水漁で漁獲され、瀬戸内海や千葉県、愛知県が産地として知られています。

かつて、ミル貝といえば本ミルと白ミルでしたが、最近ではこれに加えて黒ミルと呼ばれる二枚貝も流通するようになりました。

黒ミルの正体は…

近年、回転寿司店でよく見かけるようになった黒ミル貝。本種はナミガイ(白ミル)と同様、キヌマイトガイ科に属する二枚貝です。

学名はCyrtodaria siliquaで、英語ではNorthern propellerclamと呼ばれています。本種の身の色は橙色ですが、殻の色が黒いことから日本では黒ミルと呼ばれています。

黒ミル貝(提供:PhotoAC)

本種は大西洋北部に生息する種で、細かい砂底を好み水深50~150メートル程を好むようです。カナダで漁獲されたものが日本で多く流通しています。剥き身の状態で流通しており、主に回転寿司店などで提供されています。

このようにミル貝といっても様々な種が流通しており、日本では主に3種のミル貝が見られます。いずれも味わいが異なるので、機会があれば是非食べてみてください。

(サカナト編集部)

参考

(Growth and sexual maturity of the northern propellerclam(Cyrtodaria siliqua)in Eastern Canada, with bomb radiocarbon age validation)

SUSTAINABILITY PROFILE-Clearwater

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サカナト編集部

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サカナに特化したメディア『サカナト』。本とWebで同時創刊。魚をはじめとした水生生物の多様な魅力を発信していきます。

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