水産庁は、水産物の消費拡大に向けた取り組みを推進するため、毎月3日~7日を「さかなの日」に制定。特に11月3日~7日を「いいさかなの日」として、魚食推進の強化週間としています。
さまざまな企業・団体が「さかなの日」の賛同メンバーになっており、サカナに特化した本屋『SAKANA BOOKS』もそのひとつです。
この記事では、サカナト編集部とSAKANA BOOKSスタッフが、SAKANA BOOKSにある本の中から魚食に関するおすすめ本をピックアップして紹介します。
今回の記事は「水産物を取り巻くもの」編です。
『海』│加古里子(著、イラスト)
「海」をテーマにした科学絵本。身近な浅い海から深い海へと、生物相や環境、海にまつわる人の営みの変化をグラデーションのように描いています。
地球科学的な壮大な世界を絵だけで理解することができる、特に小さなお子さんにおすすめしたい1冊です。
『おーい、こちら灯台』│ソフィー・ブラッコール(作)山口文生(訳)
美しい島の海辺に立つ灯台での暮らしや仕事風景を、階調豊かで緻密なイラストで描いた心に沁みる絵本です。
2019年には、アメリカで出版された絵本の中で最も優れた絵本におくられる「コールデコット賞」を受賞。この絵本の特徴である繊細かつ大胆な絵のタッチは素晴らしく、読んでいる間は海の情景に浸れますよ。
『空の食欲魔人:川原 泉 傑作集』│川原泉(作)
磯釣り少女漫画『不思議なマリナー』を収録した、短編傑作漫画集。
「少女漫画?」と思うかも知れませんが、これが本当に面白く、魚食と向き合うことができる一作なのです。
海釣り好きの地味な女の子と、謎の美青年が磯でアイナメを釣って意気投合し刺身を食べる……など、川原泉さんの描く魅力的な登場人物たちが食を通して交流する姿に笑って泣いてそして和んで、読後は身近な誰かと食卓を囲みたくなりますよ。
『空の食欲魔人:川原 泉 傑作集』│川原泉(作)-SAKANA BOOKSオンライン
『地魚の文化誌:魚食をめぐる人の営み』│太田雅士(著)
魚食文化について知りたい、と考えておられる大人の方におすすめなのがこちらの本。
日本各地における魚食文化の紹介はもちろん、伝承・習わしや漁場としての特徴・漁法まで……“地魚”の魅力が凝縮した一冊。豊富な資料で理解も深まります。
文化誌ってお堅いイメージがあって読みにくそう……と思われるかもしれませんが、こちらは比較的読みやすいですよ。
『磯』│田辺悟(著)
磯と人間の関係性について、環境・生き物・文化などありとあらゆる角度から捉えた本です。
日本全国各地の磯漁民の生活や磯にまつわる信仰・伝承まで……本だからこそ学び得る話が盛り沢山。
身近な自然である磯の豊かな文化を知る事は、今危惧されている環境・漁業問題について考える一歩でもあるのではないでしょうか。
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