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西日本で養殖される<ヒオウギ貝>がカラフルな理由 貝殻の色は遺伝的に決まっている?

食用になる二枚貝といえばホタテガイやハマグリが有名ですが、西日本の一部ではヒオウギ貝という少し変わった二枚貝が特産品として知られています。

ヒオウギ貝は、味はもちろんのこと、見た目もよいことからお正月の贈答品としても需要があるといいます。

ホタテに似た二枚貝

ヒオウギ(提供:PhotoAC)

ヒオウギ貝は正式名称を「ヒオウギ」といい、ホタテガイ同様にイタヤガイ科に属する二枚貝です。

形はホタテガイに似るものの、ホタテガイよりも小ぶりです。また、ホタテガイが冷たい海を好むのに対し、ヒオウギ貝は暖かい海の水深20メートル以浅に生息することから「南のホタテ」とも呼ばれています。

本種は“非常に弱い二枚貝”としても知られ、水揚げ後一日程しか生きられず、水槽での飼育も困難なのだそう。そのため、産地から離れた地での流通は多くありません。

ヒオウギ貝はカラーバリエーションが豊富

ヒオウギ(提供:PhotoAC)

ヒオウギ貝の最大の特徴は、なんといってもカラーバリエーション豊かな貝殻でしょう。

本種の貝殻は赤やオレンジ、黄色、紫など様々な色をしていることが知られており、1センチ程の稚貝に成長すると発色します。特にオレンジ色の個体は多く、次いで黄色、紫、赤が同じ割合で出現、稀に白や桃色の個体もいるそうです。

また、和歌山県の養殖では、右殻と左殻で色彩が異なる個体が得られています(和歌山県田辺湾の養殖ヒオウギガイ(イタヤガイ科)の稀少な色彩変異個体)。

ヒオウギ貝の色は遺伝で決まる?

カラーバリエーション豊富なヒオウギ貝ですが、その色は遺伝的に決まっていると考えられています。

ヒオウギ貝は天然の場合、ほとんどの個体で貝殻が褐色。一方、貝殻が色鮮やかな個体は、色味の良い個体を選んで増やした養殖個体です。

主な養殖地は愛媛県、三重県、和歌山県などの西日本で、特に愛媛県のヒオウギ貝は有名。中でも、愛南漁協御荘支所の管内では約40軒の養殖業者がヒオウギの養殖を行っています。

ヒオウギは年末年始の贈答品にも

愛媛県では12月2日からヒオウギ貝の出荷を開始しています。

ヒオウギ貝は味が良いことに加え、色が美しいことから、お正月の贈答品としても需要があるようです。皆さんもぜひヒオウギ貝を食べてみてはいかがでしょうか。

(サカナト編集部)

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サカナト編集部

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