1月6日は「佐久鯉の日」です。佐久鯉とは、長野県佐久市の近郊で養殖されたコイのこと。
佐久鯉の歴史は、江戸時代中期の天明年間まで遡ります。
佐久市近郊で養殖される佐久鯉
佐久鯉とは、長野県佐久市の近郊で養殖されているコイのことです。
佐久を流れる千曲川の清流と伏流水で育てるのが特徴で、食味は通常の食用コイより泥臭さが少なく身が締まっているそう。
昭和初期には全国一の生産量を誇り、コイの博覧会や品評会でも優れた品質という評価を得ていました。
他の産地のコイは通常2年ほどで出荷されますが、佐久鯉は冷たい流水で育てることから成長が遅いのが特徴(佐久鯉について-佐久養殖漁業協同組合)だといいます。
江戸時代中期から続く佐久鯉の歴史
佐久鯉の起源は、江戸時代中期である天明年間に遡ります。
桜井村の呉服商である臼田丹右衛門が、大阪の淀鯉を持ち帰ったのが最初とされています。またその後、1825年には岩村田藩主内藤豊後守が大阪からの帰国に際し、現在の佐久市にあたる地域にあった野沢村の豪商・並木七左衛門に淀鯉を与えたことから養殖が定着したといわれています。
昭和初期になると、全国一の生産量を達成。コイの博覧会や品評会でも日本一の称号を得たといいます。
長野県一の老舗宿泊施設である佐久ホテルでは、1746年1月6日に当主篠澤佐吾右衛門が伊勢神宮へ鯉料理を献上した記録があります。これが佐久鯉の最古の記録であることから、佐久ホテルの申請により1月6日が「佐久鯉誕生の日」として記念日制定されました。
2008年には特許庁より地域団体商標登録の認定を受け、正式に地域ブランドとして認められることになりました。
色々な料理で佐久鯉を楽しむ 代表的な料理は「鯉こく」
そんな佐久鯉ですが、どのような料理にして食べられているのでしょうか。
代表的な料理は「鯉こく」。筒切りにしたコイを味噌で煮たものです。
地域や家庭、飲食店によって、コイの調理方法や砂糖の有無など細かい味の仕立て方は千差万別です。
先述した篠澤佐吾右衛門によって献上された鯉料理も鯉こくだとされており、このことから佐久地方では正月になると鯉こくを食べる風習もあるのだとか。お正月のコイには「病気をせず一年健康に過ごせるように」という思いが込められているそうです。
「あらい」も絶品
また、泥臭さが少なく、身が引き締まった佐久鯉を楽しむには、「あらい」もおすすめです。
「あらい」は、刺身を人肌の湯にさっと通し、すぐに冷水にさらし身を引き締めたもの。お酒ともよく合います。
そのほか、醤油・酒・砂糖でじっくりと煮込んだ「うま煮」や、コイ丸ごとで迫力のある「塩焼き」などさまざまな方法で食べられています。
長く続く佐久の伝統を味わおう
佐久鯉を食べる機会があれば、ぜひ皆さんもさまざまな料理でその味を確かめてみてください。
天明から続く伝統の味がそこにはあるはずです。
(サカナト編集部)