「タコ」の見方が変わる
この本を読み終える頃には、マダコだけでない「タコ」が持つ知性の魅力に気付いているでしょう。
現に、この本を置いたとき私の頭の中には、ひとり隅で過ごすタコ、触手を使いコミュニケーションを取るタコ、色彩パターンで何かを主張するタコ……と、いろいろなタコが現れました。
特に印象的だったのが、本書の筆者が野生のトロピダコがちょっかいをかけあっている様子を観察しながら感じた、「タコも暇なのだな。」という一文。暇なときにじゃれ合うタコの可愛さはもちろん、筆者がタコへ抱いている愛情に触れられたような、とても温かい気持ちになれたのでした。
『タコの知性 その感覚と思考』は、私たちの知らないタコの世界を鮮やかに描き出します。この本を閉じることには、タコに対する認識が大きく変わっているはず。
新たな視点でタコの魅力に触れたい方に、ぜひ手に取ってほしい1冊です。
(サカナトライター:うえの かのん)
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