私の好きなサカナは「金魚」。
きっかけは、子どもにねだられて渋々了承した、縁日の金魚すくいでした。
突然、小赤(こあか)と呼ばれる小さな金魚「和金」1匹を自宅に迎えることになり、急きょ近所の100円ショップへ駆け込みました。
縁日の金魚を活かすにはコツがある
「金魚すくいの金魚はすぐに死んでしまう」なんて話を聞いたことがあるかもしれません。今思えば、我が家の金魚は不思議なくらい丈夫な子だったと思います。
100円ショップでは、金魚のエサとカルキ抜き剤を購入しました。エアポンプやろ過機、照明など、金魚に必要な設備を知るのは、もう少し先のお話です。
金魚飼育1日目。水槽の代わりに調理用の耐熱ボウルを使った金魚飼育が始まりました。調べてみると、「初日は飼育水に適量の塩を入れて、エサは絶食させる」とのこと。
金魚飼育2日目。初めてエサを与えてみましたが、思いのほか食いつきませんでした。魚といえば常にお腹を空かせているイメージがあったので、少し意外でした。金魚について、もっとちゃんと知りたいと思い始めました。
金魚飼育3日目。いろいろ調べているうちに、金魚を健康に育てるためには水質がカギということ、その水質を安定させるためにはバクテリアが必要不可欠ということを知りました。
そして金魚のエサには粒状からフレーク状のもの、冷凍された虫など、たくさんの種類があることも学びます。100円ショップで購入したエサは大きめの粒状だったので、次は食べやすそうなフレーク状を試してみたくなりました。
知れば知るほど愛着が湧いた
それからは、金魚について知れば知るほど愛着が芽生え、同時に申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。これまで文句ひとつ言わず、生きていてくれてありがとう。これからは、ちゃんと育てるからね。
そして、飼育開始から半年が経った現在は、45センチのワイド水槽に切り替えています。エサはフレーク状に加えて栄養価の高いアカムシを与え、バクテリア対策もバッチリです。
また、和金と混泳しやすいとされる品種「コメット」と「朱文金」を新たにお迎えし、水槽内がより賑やかになりました。3尾とも5センチ程度の当歳魚ですが、いつか繁殖させてみたいという夢もできました。
水槽の中だから生きながらえてきたサカナ
簡単そうに見えて、実は奥深い金魚飼育。
定期的な水換えやフン掃除以外にも、金魚の体調チェックや水質、水草の管理などで毎日大忙しです。水槽内の環境を守ることは、ある意味金魚のお世話よりも大変なことかもしれません。
金魚は今からおよそ2000年前、フナが突然変異し誕生しました。以降、人の手によりさまざまな品種が作られていきますが、言いかえると金魚は自然界には存在しない水生生物なので、自然環境下では生き抜く力を持ちません。
だからこそ、人が守り続けなければいけない大切な命であり、文化なのだと実感しています。
そうやって、今ではすっかり金魚沼にハマってしまったのでした。
(サカナトライター:わかめ)