いよいよ<カニ展示エリア>へ! 充実の解説コーナー
バックヤードコーナーを抜けると、カニたちが所狭しと並ぶ<カニ展示エリア>へやってきました。
見渡す限り、全てカニの展示。カニ好きにはたまらない空間です。

パネル解説を交えながら展示をみていきます。この水族館、解説パネルがかなり充実していて、カニの生態についてとことん学べます。
筆者が特に驚いたのが、カニの呼吸について。そもそも考えたことがなかったので、解説を読んで衝撃を受けました。

カニはハサミの付け根から水を吸い込んで、そこからエラで呼吸。水生であれ陸生であれ、水から酸素を得ていることは変わらず、陸生のカニは呼吸用の水を循環させて使っているので水が古くなると粘りが出て、カニの「泡ふき」が起きるのだとか……。
カニ……凄い体の仕組みをしているんだね……。知らないことが多くて勉強になります。
子どもも楽しめるクイズ
他にも、展示エリアにはクイズがいくつかあり、子どもも楽しめる内容だと感じました。

特に、抜け殻と剥製を見極めるクイズはかなりの難問。筆者はなんとかすべて正解できましたが、剝製との見分けが難しいほど綺麗に脱皮できるのか……と驚きます。
そもそも、こんなにも複数種のカニの甲羅を見れる場所もないので貴重な展示です。

充実の解説に溢れている館内には、「飼育の質問ボタン」と書かれた看板がありました。ボタンを押すと飼育スタッフさんが出てきて、飼育に関する内容を相談できるそう。
子どもも大人も嬉しい仕組みで、なんてアットホームなんでしょう。近所にお住まいの方が羨ましいです。
解説や飼育展示以外にも、大量のカニグッズが並べられたコーナーもありました。

かにっこ館というだけあって、“カニ愛”が溢れています。
訪問前に「小さいですが熱量あります! 」という口コミを見かけていたのですが、まさにカニ愛を一身に浴びるような展示に圧倒されました。
ずらっと続くカニ水槽
解説パネルとともに水槽を見ていきますが、嬉しいことに水槽の数が多かったので、本記事では特に印象的だった展示を紹介します。
まずは、オオホモラ。深海性で、ホモラ類の中でも大型になる珍しいカニです。

後ろ脚にハサミを持っていることが特徴的な、いわゆる“背負う系のカニ”。この後ろ脚のハサミで何かを掴んだり背負ったりする習性があるようです。

近くで見ると、しっかりとヤギ類を握っているのが分かります。ハサミもそうですが、爪がフックのようになっており、独特でかっこいいですね。
こんなに近くで見たことはなかったので、まじまじと観察することができました。
鳥取県では「チョーコガニ」と呼ばれる<ヒラツメガニ>
次に印象に残ったのが、鳥取県で食用とされているカニの紹介。中でも気に入ったのは、ヒラツメガニです。
砂に潜ってじっとしている姿は可愛らしいですが、日本では食用ガニとして漁獲されているカニです。

「マルガニ」や「ホンダガニ」などさまざまな地域名があるのも特徴。鳥取県では「チョーコガニ」と呼ばれ、親しまれているそうですよ。カニ味噌がとても美味しいそうです。

食用ガニとして紹介されることはあまりないので、カニ名産の鳥取県ならではの展示ですね。
<タカアシガニ>の脱皮している姿を目撃!
他にもタカアシガニがいましたが、タイミングがよく、なんと脱皮している姿が見れました……!脱皮には時間がかかるので、最後まで見守ることはできませんでしたが、貴重な体験です。
カニは成長に合わせて脱皮する習性がありますが、脱皮にはかなり体力を使うらしく、途中で力尽きてしまう個体もいるそうです。貼り紙にも「カニの脱皮は命がけです」と書いてありました。

この個体が無事であることを祈ります……。