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クニマスにカワメンタイ!琵琶湖博物館で<世界の湖沼>に生息する淡水魚が楽しめる企画展を開催【滋賀県草津市】

滋賀県立琵琶湖博物館は、7月19月~9月28日の期間に「淡水魚から見る世界の湖沼」を開催することを発表しました。

この企画展示では、世界の湖沼に生息する多種多様な淡水魚の生体と標本を展示。世界の主要な湖沼の環境問題を、そこに生息する魚の視点から学ぶことができます。

世界湖沼の日

「世界湖沼の日(8月27日)」は2024年12月に制定された記念日。1984年8月27日に滋賀県大津市で開会された「第1回世界湖沼会議」に因んでいます。

インドネシア スラウェシ島 トウティ湖(提供:東山動植物園)(提供:滋賀県立琵琶湖博物館)

今回、滋賀県立琵琶湖博物館で開催される企画展示は「世界湖沼の日」の制定を記念し、魚という視点から日本を含む世界の湖沼について紹介。水族企画展示室では世界の湖沼(北米の五大湖、南米のティティカカ湖、中国の太湖、スラウェシ島の古代湖、ミャンマーのインレー湖、中央アジアのアラル海、日本の田沢湖と八郎潟)に生息する魚の生体と標本の展示が行われるようです。

湖沼は固有種が多い

湖沼という環境には、河川と異なる独自の魚類相が形成されることが知られています。

魚類相の成り立ちは湖沼ごとに違いがあり、特に古くから存在する湖では環境に適応した固有種が生まれやすく、湖沼ごとに特徴があるのです。

中国・太湖で営まれている漁。(撮影:楊平)(提供:滋賀県立琵琶湖博物館)

一方、湖沼の魚は人間の活動を受けやすい生物でもあります。

湖沼は生活・農業・工業に重要な真水を大量に蓄えていることから、開発されやすい環境です。加えて、人口増加による富栄養化や外来種のリスクもあります。

魚たちはこれらの影響を直接受けることにより、世界各地の湖沼で在来の魚類が激減する問題が発生しているのです。

世界の湖沼にすむ魚たち

湖沼を知る上で欠かせない存在である魚類。

今回、開催される企画展示では世界の湖沼に生息する魚の視点から、世界の湖沼と琵琶湖を含む日本の故湖沼の共通点と違い、環境や環境問題について紹介が行われる予定です。

世界の淡水魚の生体展示

水族企画展示室で行われる生体展示ではタラの仲間では珍しい淡水種のカワメンタイ、日本に生息しない大陸性のコイ科魚類でアラル海の縮小などにより激減したアラルトミヨを展示。

トウティ湖の固有種・トウティメダカ(提供:小林大純氏)(提供:滋賀県立琵琶湖博物館)

さらに、2023年に新種記載されたばかりのスラウェシ島トウティ湖のトウティメダカなど普段見ることができない貴重な世界の淡水魚を約20種を見ることができます。

貴重な標本資料も展示

本企画展示では標本の展示も充実しています。

海外の魚ではティティカカ湖の固有種である大型のカダヤシ類のほか、琵琶湖と縁の深いアナンデール博士が約100年前にインレー湖で収集した魚類を展示。日本の淡水魚では田所湖で絶滅したクニマス(滋賀県立琵琶湖博物館所蔵・複製)など貴重な資料を見ることができます。

また、本企画に合わせて「ビワマス新種記載機縁展示」も同時開催。新種記載に用いられた分類学的に非常に重要なビワマス Oncorhynchus biwaensis のタイプ標本の特別公開が行われます。

ビワマスのタイプ標本(滋賀県立琵琶湖博物館所蔵)(提供:滋賀県立琵琶湖博物館)

貴重な淡水魚

今回、開催される特別企画「淡水魚から見る世界の湖沼」は世界の湖沼を魚類の視点から学べる展示です。

開催場所である琵琶湖博物館の水族企画展示室では、普段お目にかかれない貴重な魚の標本や生体展示が行われるようなので、淡水魚マニアの方はぜひ琵琶湖博物館へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

今回の企画展示は7月19日~9月28日の期間で開催予定。詳しい情報は滋賀県立琵琶湖博物館公式WEBサイトで確認することができます。

※2025年7月16日時点の情報です

(サカナト編集部)

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