オオサンショウウオの秘密
湯原温泉のオオサンショウウオ山車「はんざき太郎」(提供:PhotoAC)オオサンショウウオにはほかにも驚くべき秘密があります。
生きた化石
オオサンショウウオは化石の解析によって約3000万年前からほとんど形態が変化しておらず、「生きた化石」と呼ばれています。
なお、2024年には、岡山理科大学などによる骨組織の解析から、「生きた化石であること」が証明されたそうです。
9月9日は「オオサンショウウオの日」
オオサンショウウオの形が数字の「9」に似ていること、繁殖期である9月ごろに活動が活発化することから、京都水族館が日本記念日協会へ申請し、2018年4月18日に認定されました。
京都水族館では、オオサンショウウオを約20匹飼育しています。
毎年9月9日頃になると、京都水族館を中心に地域一体となって「オオサンショウウオの日」を盛り上げるイベントを行っているんですよ。
寿命が長い
江戸時代に来日した医師であるシーボルトによる観察記録では、日本から持ち帰ったオオサンショウウオ1匹が51年間生存したそう。
持ち帰った際の大きさが20~30歳相当であったことから、飼育下では71年以上の寿命であると考えられています。
なお、飼育した個体で114年生きたという記録もあるそうです。
とてもおいしい?
白土三平の人気漫画『カムイ外伝』や北大路魯山人『魯山人味道』などに記載があり、オオサンショウウオはとてもおいしいといいます。
しかし、現在は種の保存法に基づき国際希少野生動植物種に指定されている生物であり、地域によっては特別天然記念物にも指定されています。
くれぐれも捕獲して食べることなどないように。法律で罰せられます。
省エネだけど意外に俊敏
オオサンショウウオは省エネタイプの生きもので、あまり動きません。呼吸は1時間に数回ほどで、1週間に1匹の魚を食べれば生きていけるそう。
ただ、エサを捕獲する際は、一瞬でガバっと水ごと魚などを丸飲みする俊敏さを見せます。これだとエネルギー消費を抑えて食事できそうですね。
前あしと後あしで指の数が違う
オオサンショウウオ(提供:PhotoAC)オオサンショウウオでは前あしに4本、後あしに5本の指があり、前後で指の数が異なります。
これは両生類独自の進化の結果で、カエルでも同様です。
オスは子煩悩
まず、オスは繁殖期前に子育てに適した巣穴を見つけ掃除。そこへメスが産卵すると孵化まで1ヶ月ほど面倒をみるだけでなく、幼生が巣立ちする孵化2ヶ月くらいまでお世話を続けるそう。
なお、メスは卵を産むだけみたいですが、オスがいなければ子どもは全滅するので、手が抜けないのでしょう……。
岡山では祭りが開催される
岡山県真庭市にある湯原温泉では、毎年8月8日に奇祭「はんざき祭り」が開催されます。
大はんざきの山車(太郎と花子)や道中ばやし踊り連、黄金色に輝く「はんざきねぶた」も登場する楽しいお祭りです。
8月7日には子供向けイベントが開催され、8日は「はんざき・フォーラム」や総踊り、ライブなどが行われます。
日本で唯一のはんざきを祀る神社
そんな湯原には大はんざき伝説があります。
旭川にあった龍頭(りゅうず)の淵に、体長が三丈六尺(10メートルあまり)で胴回りが一丈八尺(5メートルあまり)の大きなはんざきが住みつき、牛馬や人を飲みこんでいたそう。
そこで、三井彦四郎という若者がこの大はんざきを退治しましたが、祟りが起こったためはんざきの霊を祀ったのが「鯢(はんざき)大明神」。
この伝説から、毎年はんざき祭りが行われるようになったのだとか。