生息域ごとの展示と特徴が学べるわかりやすい説明
ゴビウスの館内の一部には、宍道湖と中海を隣り合わせにおいた大きな水槽があります。
宍道湖側の水槽にはヒイラギの群れが泳いでおり、メタリックな体表が光を反射し眩しく輝いていました。
群れで泳ぐヒイラギ(写真提供:島根県立宍道湖自然館ゴビウス/撮影:ほりぐちよしき)一方で、中海側の水槽にはコイやスズキが重量感のある身体を潜ませる姿を観察でき一目で「生き物の棲み分け」を感じられます。そこに宍道湖・中海の塩分濃度のちがい、面積、最大深度などの補足でより実際に近い生態系をイメージしやすくなっていました。
また、汽水域周辺の郷土料理(宍道湖・中海七珍)の紹介や、島根県東部のほぼ全域に流れる「斐伊川水域」についての説明など、島根県の地形・風土の情報や知識の発信も精力的に行っているのが感じられました。
ゴビウスは子連れにもおすすめできる水族館
生き物と触れ合えるタッチプールと子どもたち(写真提供:島根県立宍道湖自然館ゴビウス/撮影:ほりぐちよしき)取材当時(2025年8月)は特別展として「夏の金魚展」が開かれており、島根県の天然記念物である「出雲なんきん」や「和金」など多くの種類の金魚が展示されていました。
施設内にあるビオトープ池やレクチャールームでは、飼育員が提供する「生き物観察会」といった子どもでも楽しめるイベントも行われています。
島根県立宍道湖自然館ゴビウスは、じっくり生き物を観察したい方にも、子どもを自然に触れさせたいご家族にもおすすめできる水族館です。他の水族館では見られない、“コアな生き物”に出会いたい方は、ぜひ訪れてみてください。
(サカナトライター:ほりぐちよしき)
参考文献
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