日本海で9月1日、底曳網漁が解禁されました。解禁初日に漁ができるのは、実に3年ぶりのことです。
石川県加賀市の橋立漁港では前日の8月31日に出港し、翌9月1日に漁を開始。船が港に戻るとカレイやメギスなど多種多様な魚介類が次々と水揚げされました。
日本海の底曳網漁
日本海では各地で底魚や甲殻類を対象とした底曳網(海底にオモリの付いた大きな網を沈めて船で引っ張る漁法)が行われています。

1艘の船による「かけ回し」で様々な漁獲類が漁獲。県内の港では橋立漁港が底曳網の水揚げ地として有名です。
底曳網が解禁されると多彩な魚介が水揚げされ市場や港が賑わいます。なお、石川県においては、毎年7~8月の2ヶ月間が禁漁期です。
橋立漁港の魅力
橋立漁港は港から漁場までの距離が短いことから、漁をしてすぐに港へ帰ることができます。
この“漁場の近さ”は橋立漁港の魅力の一つであり、新鮮なまま水揚げされた魚介類はすぐに競りにかけられるため鮮度抜群です。また、漁場の魚種が豊富であり、1年を通して多種多様な魚介類が漁獲されています。
橋立漁港で水揚げされる魚介
豊かな漁場に恵まれた石川県橋立漁港では多彩な魚介が水揚げされますが、底曳網のシーズンはメギス、ガスエビ、甘えび、カレイ類などが見られます。
石川県の大衆魚「メギス」

メギスは標準和名をニギスといい、名前に“キス”と付くもののシロギスなどが属するキス科とは別のグループの魚です。深場に生息する小型魚で、石川県をはじめとした日本各地で漁獲があります。
石川県のニギス漁獲量は全国トップクラスであり、休漁期を除くと四季を通して漁獲される魚です。
足が早い「ガスエビ」
石川県などで水揚げされるガスエビは全国的な知名度はないものの、味がよく知る人ぞ知る美味しいエビです。

石川県でガスエビと呼ばれるエビ類は黒ガスエビ(トゲザコエビ)と白ガスエビ(クロザコエビ)の2種類。鮮度の落ちが早く、産地でしか流通しないことから“幻のエビ”とも呼ばれています。
鮮度が良いガスエビは刺身で食べると甘味が強く非常に美味しいエビ。もちろん火を通しても美味であり、焼きや揚げ物など様々な料理で食べられています。
11月からカニ漁も解禁
石川県の底曳網は6月末まで行われる予定。さらに、11月からは冬の味覚の王様とも呼ばれるズワイガニを狙ったカニ漁が解禁されます。
この機会に日本海の魚介類を味わってみてはいかがでしょうか。
(サカナト編集部)