酸素不足に適応した生物
中流は上流と異なり、通年で雨が降ります。ここでは、乾燥とは別の要因に適応して、空気呼吸できる魚が生息しています。
豊富な栄養と高い水温のため、微生物が活発に酸素を消費。一方、水流が弱いため対流が起きにくく、水中の酸素が欠乏しやすいのです。
お腹を上に向けて泳ぐ<サカサナマズ>
コンゴ川には、シノドンティスというナマズのグループが生息しています。なかでも特徴的なのがサカサナマズ。
逆さのサカサナマズ(提供:PhotoAC)お腹を上に向けて泳ぐ理由ははっきりしていませんが、一説には水面近くで酸素を吸収するためとされます。
雨天時には地上を移動<キノボリウオ>
キノボリウオは、名前の通り実際に木に登る……ことはできません。
しかし、少しの間空気呼吸ができるラビリンス器官とよばれる空気呼吸器官をもち、雨天時には地上を移動できます。
視界が利かない環境に適応した生物
中流の水中は、濁った水や植物などの沈殿物で視界が遮られます。
そして、視覚に頼らず周囲を感知する魚がみられるのです。
ゾウのような顔<エレファントノーズフィッシュ>
エレファントノーズフィッシュ(提供:PhotoAC)コンゴ川に生息するモルミルスという魚のグループは、電気を発生させて周囲を感知します。特にユニークなのが、ゾウのような顔をしたエレファントノーズフィッシュ。
伸びているのは下あごで、泥の中のエサを捕食します。
デンキナマズ
マラプテルスというデンキナマズのグループが生息しています。
強力な電気を発生させ、周囲の感知に加えて、攻撃や防御にも使用します。
緩やかな流れに生息する生物
中流には、緩やかな流れを好む生物が多くみられます。
ペットとしても人気<ナイルフグ>
ナイルフグ(提供:PhotoAC)淡水フグの一種で、ペットとしても人気。
ナイルフグという名前に反して、ナイル川には生息していません。
テトラの仲間たち
コンゴテトラ(提供:PhotoAC)コンゴ川に広く生息するカラシンという魚のグループのうち、流れが穏やかな場所でよくみられるのが、テトラとよばれる仲間です。
この名前を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?その通り、クラウンテトラやコンゴテトラは日本でも人気の熱帯魚です。
急流続きの下流に適応した生物
中流の末端で、コンゴ川はマレボ湖を形成します。ふたつの国の首都、キンシャサとブラザヴィルが対岸同士で向かい合う、世界でも珍しい場所です。
ここから下流の港町マタディまで、航行できない急流が続きます。
大西洋まで急こう配を一気に流れ落ちるため、下流にもかかわらず激しい流れです。
ムベンガ(ゴライアス・タイガーフィッシュ)
ムベンガ(提供:PhotoAC)体長1.5~2メートルに達し、巨大な牙を持つ肉食のカラシン類です。
広域に生息しますが、強力な筋肉や尾びれによる遊泳力は、流れが急で酸素不足になりにくい環境に特に適しています。