いよいよサツオミシマを実食！その味は？

我が家にやってきたサツオミシマの観察も一通り終わったので、いよいよ食べてみることに。

サツオミシマの刺身

まずはお刺身ですが、薄っすら赤みがあるミシマオコゼ属の魚やアオミシマとは異なり、白色をしています。

不味くはないのですが、味が薄いように感じも。ポン酢で食べるのにちょうどいい感じでした。

サツオミシマの刺身（提供：椎名まさと）

また、身もほかのミシマオコゼ科魚類と比べるとやわらかい感じです。これも小ぶりのものだと味わいなども違ってくるのかもしれませんね。

しかし、日本で漁獲されるサツオミシマはなぜか大きなものばかりで、小さいものは現在のところ見られないようです。

茹でてもポン酢がよく合う

刺身には、胃を茹でて切ったものも添えてみました。これもポン酢がよく似合います。

こちらも味というよりは歯ごたえを楽しむものといってよいでしょう。

サツオミシマの胃（提供：椎名まさと）

一方、肝臓は色が灰色っぽいことに加え、体の大きさの割に意外と小さく、特筆すべき味はありませんでした。

特徴的なサツオミシマの頭部を茹でて食べる

頭部の肉量も多かったので、今回は頭部を鍋で茹でてみました。

サツオミシマ頭部を茹でて食べる（提供：椎名まさと）

これも美味であり、個人的には普通に刺身にするよりもこちらのほうが美味しかったです。これからの寒くなる季節は、鍋物にしても美味しいかもしれません。

入手は困難だけどぜひ食べてほしい

サツオミシマはなかなか一般には出回らない魚です。そもそも近縁のミシマオコゼも、一般のスーパーではほとんどお目にかかれない種といえるでしょう。

我が国の主な産地は三河湾や瀬戸内海、東シナ海に面した地域で、それらの中でもとくに小型底曳網漁業の拠点があるところで手に入れられる可能性があるでしょう。もし、入手する機会があれば、ぜひとも食べてみてほしいと思います。

（サカナトライター：椎名まさと）

謝辞と参考文献

今回のサツオミシマの入手についてはマルホウ水産（長崎魚市場）の石田拓治さんにお世話になりました。ありがとうございました。

中坊徹次（2013）、日本産魚類検索 全種の同定 第三版、東海大学出版会

山田梅芳・時村宗春・堀川博史・中坊徹次（2007）、東シナ海・黄海の魚類誌、東海大学出版会