もともと水族館が好きで、学生時代は大学付近にあった水族館の年パスまで所有していた私。いつか自分でも魚を絶対飼ってみたいと思っていました。
実家を出て、マンションで住むようになってからも、魚と暮らしたい思いは消えませんでした。
そんな私が大切な家族と呼べる魚たちと出会い、ともに暮らすようになったお話をします。
水族館通いからアクアリウムへ
まず、魚を飼育すると決心してすぐに近所のペットショップに向かいました。ペットショップに行くと様々な魚に出会います。
ディズニー映画のファインディング・ニモでおなじみのカクレクマノミや、魚飼育の定番である金魚、古代魚で最大1メートルになることもあるアロワナまでいました。
そんな中で、私が惹かれたのはメダカ。数ある魚の中でメダカを選んだのには理由があり、上見(うわみ=上から観察する鑑賞方法)ができる魚を飼育してみたかったというのがあります。
水族館でもタッチプールのような、魚を上から見る展示のほうが好きなのです。
メダカ(提供:PhotoAC)メダカにもたくさん種類がありますが、その中でも私が選んだのは青白いボディと背中に特殊な光沢をもつ「幹之メダカ」でした。
まばゆい輝きが水面で揺らぐ様子に一目ぼれ。5匹購入し、すぐにマンションに連れて帰りました。
メダカが懐いてくれた
こうして家族となった私たちですが、私がメダカのおうちとして選んだのは睡蓮鉢。上見ができるし、マンションのベランダで飼育するのにぴったりです。
睡蓮鉢(提供:PhotoAC)最初のうちは、エサやりをしてもすぐに水草の影に隠れてしまいます。「出ておいで~」と言っても伝わるはずはなく、仕方なくこちらも窓の影から観察していると、ようやくエサを食べてくれました。
慣れないうちはエサのやりすぎで、底のほうにカビの生えた食べ残しがあり、急いで回収して水替えをしたこともありました。
飼育を始めてから2週間ほど経った時にあることに気づきます。
「あれ? エサやりのときに逃げなくなった?」
こちらがエサやりのために顔をのぞかせても、メダカたちが水草に隠れなくなったのです。
魚も人を判別して懐いてくれることに驚いたとともに、この上なくとても嬉しい瞬間でした。
飼育をはじめて良かった
今となってはこちらが顔を見せるだけで寄ってきてくれるようになり、エサやりの時間だけでなく、水替えの時間や観察の時間もかけがえのないひとときになっています。
水族館に入り浸っているときは、魚たちが泳いでいるのを見るだけで幸せだと感じていましたが、今では飼育しているメダカたちが愛おしくて仕方ありません。完全に“親バカ”になってしまいました。
それでも、今の生活のほうが幸せだと感じています。生き物を飼育することは責任が伴うけれど、日々の癒しと楽しさを与えてくれるかけがえのない存在です。
私を幸せにしてくれた魚たちとの生活をひとりでも多くの人に伝えたい、分かち合っていきたい。そんな気持ちでいっぱいです。
(サカナトライター:さご)