この川には敵が少ないことが理由?
これは筆者なりの考察ですが、この川におけるオショロコマやヤマメの天敵は少ないのかもしれないと思いました。
観察した小川は道東の森の奥深くであり、“ヒグマ多発地帯”です。他にもエゾタヌキや猛禽類などもいるでしょう。
それらが常時襲ってくる環境となれば、オショロコマもヤマメも、こんなに無警戒であるはずがありません。一体何が原因なのでしょうか。
知床のエゾヒグマ(提供:みのり)『ヒグマ・ノート』(発行/ヒグマの会)によると、北海道においてヒグマがサケを狩るのは主に知床半島であるそうです。他の北海道内陸部では、ドングリや山菜などの方が豊富で食べやすいため、わざわざ魚を狩ることは少ないといいます。
観察したのは上流部の小川であり、周りにはもっと川幅が広く、水量も多い河川が存在します。狩りをするのであれば、大きな河川の方が狙いやすいのかもしれません。
また、そういった川幅の広い河川は、川を遮る木々も少ないため、上から見た際の視界は良好です。
小川は木々にさえぎられている(撮影:みのり)対して、この小川は小さいが故に、上空から見ても流れが木々に遮られ、川そのものが目立ちにくい環境にあります。鳥類にとっても、この小川の魚は狙いにくいのでしょう。
あくまで私見ではありますが、こうした環境では天敵が少なくなり、その結果、オショロコマだけでなく、本来は警戒心が強いヤマメも安心して行動できるのではないでしょうか。
この考察が合っているかは定かではありませんが、周りの環境を見比べて、その理由を考えるのは非常に面白いです。
次なる目標はサクラマス
こうして、北海道で思いがけず忘れ物を取りにいくことができました。
やはり、この生き物を知っているなどと驕り高ぶらず、ちゃんと情報や写真を整理することは大切な作業だと反省しました。
小川を泳ぐヤマメ(撮影:みのり)さて、ヤマメを仕留めた私の次なる目標は降海型の野生のサクラマス。野生のサクラマスをしっかり収めることで、私の中の「ヤマメ・サクラマス物語」はようやく一区切りとなるでしょう。
そんな次なる目標に燃える、筆者のヤマメ物語でした。
(サカナトライター:みのり)
参考文献
井田 齊, 奥山 文弥(2017)、サケマス・イワナのわかる本 サケ科魚類学のバイブル、山と渓谷社
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