株式会社さかなドリームは2月18日、カイワリと南房総産マアジを親とした養殖魚「夢あじ」の本格販売を今年の春に開始すると発表しました。
夢あじは、カイワリの豊かな旨味と南房総産が持つ上質な脂を併せ持った新たな養殖魚で、唯一無二の味わいが特徴だといいます。
美味しい魚を安定的に 新たな養殖魚の開発
日本における天然魚の漁獲量は、ピーク時の3分の1まで落ち込んでいるといいます。
こうした現状から、株式会社さかなドリームは、天然の一級品に匹敵する味わいを持った魚を安定的に届けることを目指し、養殖魚の開発に取り組んでいます。
カイワリとマアジを親に持つ夢あじは、同社にとって初の商品です。
<夢あじ>誕生
圧倒的に美味しい養殖魚を世に届けたいという思いから、さかなドリーム共同創業者で東京海洋大学の吉崎悟朗教授はカイワリに着目。
カイワリは漁業関係者から評価の高い魚である一方、漁獲量が安定していないことに加え養殖が難しいことから、一般市場での流通量が少ないとも言われています。
カイワリと金アジ(提供:株式会社さかなドリーム)同社は、養殖技術が確立されているマアジを片親に用いることで、美味しさと飼いやすさの両方を持つ新たな魚が誕生したのです。
まるで“白身のトロ” 夢あじの特徴は?
夢あじの大きな特徴は、カイワリの豊かな旨味に加え、南房総産の金アジ(根付きのマアジ)の上質な脂を併せ持つこと。“白身のトロ”とも呼べる唯一無二の味わいを実現することに成功したといいます。
また、味わいの完成度を高めるために、一般的なアジ科の餌ではなく、クロマグロ用の餌を採用。さらに、出荷時に一匹ずつ血抜きをするなど、品質を徹底的に追及しているそうです。
これにより、料理人や市場関係者からは、従来の養殖魚とは一線を画した高い評価を得たとのことです。
強い潮流と豊富な栄養
そんな夢あじの養殖地は、千葉県南房総市の富浦湾と静岡県沼津市の内浦湾です。
富浦湾は一年を通して波が荒く、海水の入れ替わりが絶えないことが知られています。強い潮流と波により、生簀内の水は常に清浄に保たれているほか、魚の遊泳力が増すことにより、筋繊維の発達した身質になるとされています。
左)千葉県富浦湾、右)静岡県内浦湾(提供:株式会社さかなドリーム)もう一方の内浦湾は駿河湾の最奥部に位置する湾であり、深層水に由来した栄養素と富士山由来のミネラルを豊富に含みます。そのため、魚の生育に極めて適しており、マアジ養殖では国内最大の産地として知られているのです。
先天的に繁殖力を持たない
海面養殖において、魚が逃亡した際への対策が非常に重要です。
さかなドリームによると、夢あじは先天的に繁殖力を持たない一代限りの養殖魚で、自然界で夢あじが増えることはないとしています。さらに、野生のカイワリ、マアジと交配することがなく、生態系への悪影響を防ぐことが可能だといいます。
唯一無二だという味に加え、生態系への配慮を両立した夢あじ。果たして、今後市場に定着していくのでしょうか。
唯一無二の味を楽しむチャンス
さかなドリームは今年3月~4月にかけて、計8000の夢あじを出荷。豊洲市場、名古屋市中央卸売市場の流通を通し、国内外の飲食店で提供される予定です。
また、鮮魚専門店の「中島水産」のほか、千葉県安房地域の一部飲食店でも販売予定。この機会にぜひ、夢あじの味を体験してみてはいかがでしょうか。
詳しい情報は株式会社さかなドリーム公式WEBサイトで確認することができます。
※2026年2月20日時点の情報です
(サカナト編集部)