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ヒゲダイの分類

ヒゲダイを含むヒゲダイ属は『日本産魚類検索 第三版』などではイサキ科に含められてきたものの、最近はイサキ科とは別科とされることが多くなりました。

では、何科になるのかといえば、単独の科Hapalogenyidaeとされたり、あるいはマツダイ科に含める意見があるようです。

マツダイ科といえば、従来はマツダイと同属の Lobotes pacifica Gilbert, 1898の2種のみからなるものとされました。

マツダイ科のマツダイ(提供:椎名まさと)

しかし、東南アジアに見られる淡水魚で、日本においてもよく知られた熱帯魚のいちグループであるダトニオイデス(Datnioides)属、通称ダトニオとの関係もあり、先述した「Fishbase」においても、ヒゲダイ属はマツダイ属・ダトニオイデス属とともにマツダイ科の中に含まれているのです。

ダトニオイデス属の一種 (提供:PhotoAC)

たしかに、ヒゲダイ属の魚の背鰭棘はよく伸びますが、ダトニオイデス属のある種も背鰭棘がヒゲダイ属の魚のようによく伸びる種はいますし、セトダイの体側にみられる横帯も体側の横帯が目立つダトニオイデス属のそれを彷彿とさせます。

さらに、ダトニオイデス属の仲間の幼魚は、水中に沈んだ枯葉などへの擬態のためか全身が真っ黒になることもありますが、ヒゲダイ属のヒゲソリダイなどの稚魚も、同じように全身が真っ黒になることがあるようです。

ヒゲダイ属のセトダイ(提供:椎名まさと)

そして「枯葉に擬態する魚」としては、マツダイのほうがこれらの2属よりもよく知られているといえます。

実際に、筆者も高知県ではじめてマツダイを見たときは、本当に枯葉が海に浮かんでいるように見えてしまいました。

表層にうかぶマツダイ(提供:椎名まさと)

なお、マツダイも、ヒゲダイやイサキ科同様に、前鰓蓋骨後縁に小さなノコギリ状の棘がならんでいます。

今度はマツダイが食べたい!

今回はヒゲダイを食べたお話をしましたが、次は、同じ科の魚とされるマツダイも食べてみたくなったのでした。

筆者はマツダイを食べたことがありません。実は、近所のスーパーマーケットでもマツダイを見たことが一度だけあるのですが、残念ながら手が届くようなお値段ではなく、購入を断念してしまいました。

また資金をためて、マツダイを購入して食べたいと思います。

ヒゲダイの入手に関しては長崎市魚市場 マルホウ水産の石田拓治さん、セトダイの入手に関しては兵庫県の北村太一さんにお世話になりました。ありがとうございました。

(サカナトライター:椎名まさと)

書籍およびジャーナル

榮川省造. 1982. 新釈 魚名考.青銅企画出版.箕面.

木村清志・笹木大地.2025.美し国の魚たち 三重県の魚類図鑑.木村清志.伊勢市.

中坊徹次編. 2013.日本産魚類検索 全種の同定 第三版.東海大学出版会.秦野.

中坊徹次編. 2018. 小学館の図鑑Z 日本魚類館.小学館.東京.

山田梅芳・時村宗春・堀川博史・中坊徹次. 2007. 東シナ海・黄海の魚類誌.東海大学出版会,秦野.

インターネット文献

Search Fishbase https://www.fishbase.org/

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椎名まさと

魚類の採集も飼育も食することも大好きな30代。関東地方に居住していますが過去様々な場所に居住。特に好きな魚はウツボ科、カエルウオ族、ハゼ科、スズメダイ科、テンジクダイ科、ナマズ類。研究テーマは魚類耳石と底曳網漁業。

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