三重県南伊勢町で現在、海藻を活用した「養殖藻場」による海洋環境の再生と地域資源の活用を目指す実証実験が進められています。
一般社団法人関西イノベーションセンター(MUIC Kansai)、合同会社シーベジタブル、南伊勢町が連携した取り組みで、海藻類が衰退・消失してしまう現象である「磯焼け」が深刻化する沿岸域で、藻場再生と新たな海藻産業・観光資源の創出を目指しています。
海と共に生きる町・南伊勢町で「養殖藻場」の実証実験
MUIC Kansaiは昨年10月、南伊勢町とシーベジタブルと連携し、南伊勢町沿岸で海藻を用いた「養殖藻場」の実証実験を開始。モズクやハバノリなどその海域に適した海藻を養殖しながら、海洋環境の再生と地域の新たな海藻産業の可能性を検証しています。
温暖化や食害の影響で藻場の減少と磯焼けが進む中、南伊勢町が持つ豊かな海を再び“海のゆりかご”として機能させることを目指しているといいます。
「養殖藻場」のモデルづくりへ
今回のプロジェクトでは、南伊勢町の沿岸域を舞台に、海域環境に適した海藻を新たな方法で栽培することで、生物多様性の回復と持続可能な水産業につながる「養殖藻場」のモデルづくりに取り組んでいます。
「養殖藻場」は、海藻養殖を通じて藻場を人工的かつ循環的に作り上げ、海の生態系を回復させる取り組みとして注目。南伊勢町での実証は、磯焼け対策と地域振興を両立させる新たなケーススタディとなることが期待されています。
藻場 イメージ(提供:PhotoAC)一方で、本プロジェクトはあくまで実証実験であり、天候や海水温、食害など自然や技術的な課題により、計画通りに進まない可能性もあるとのこと。
そのため、現場で得られる知見や課題を蓄積し、地域と共に、継続的に運用できる仕組みの構築を目指して検証を進めていくとしています。
新たな海藻産地・地方活性化のモデルケースに?
今回の南伊勢町での実証実験は、磯焼けの進行が懸念される国内各地の沿岸に向けたモデルケースとなるかもしれません。
養殖藻場の技術やノウハウが蓄積されれば、海洋環境の回復が見込めると共に、地域の漁業者や自治体と連携した新たな海藻産地づくりや、観光・教育と組み合わせた地域活性化にも展開する可能性があります。
※2026年3月14日時点の情報です
(サカナト編集部)