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カンテンゲンゲとシロゲンゲの違い

カンテンゲンゲとシロゲンゲは同じシロゲンゲ属の魚であり、並べた写真を見ても2種を見分ける方法がわからないという人も多いでしょう。

実際に筆者も、体側面を見ただけではこの2種を見分けるのは難しいと思っています。

体側面を見ただけでは2種を見分けるのは難しいかも(提供:椎名まさと)

カンテンゲンゲとシロゲンゲの2種を見分ける方法はいくつかあるのですが、最もわかりやすいのが頭部の眼隔域を見ること。

カンテンゲンゲとシロゲンゲ(提供:椎名まさと)

カンテンゲンゲの頭部は側扁していますが、シロゲンゲはそうではなく、眼隔幅はカンテンゲンゲよりもシロゲンゲのほうが広いことが特徴です(カンテンゲンゲでは両眼隔幅は頭長の8.6~12.4パーセント、シロゲンゲでは両眼隔幅は頭長の9.7~17.4パーセント)。

2種のゲンゲを味噌汁で食べ比べしてみた

今回はカンテンゲンゲとシロゲンゲ、両方とも味噌汁で食べてみました。薬味もネギだけという、シンプルなものにしています。

カンテンゲンゲの味噌汁(提供:椎名まさと)

カンテンゲンゲはシロゲンゲよりもわずかに小さかったためなのか、骨がやや気になり味も薄いように感じました。

一方、シロゲンゲのほうは若干大きくて、味もしっかりしています。

シロゲンゲの味噌汁(提供:椎名まさと)

また、骨からの身離れもカンテンゲンゲよりシロゲンゲのほうがいいように感じました。

今度は両種ともに50センチを超える成魚で試してみたいと思います。

干物もうまいぞ!

今回食したカンテンゲンゲとシロゲンゲはいずれもシロゲンゲ属の魚で近縁種といってもよい魚なのですが、日本産シロゲンゲ属魚類にはもう1種、ノロゲンゲ Bothrocara hollandi (Jordan and Hubbs, 1925)という魚がいます。

ノロゲンゲは宮城県以北の太平洋岸やオホーツク海にも生息していますが、日本海側に多い魚で、金沢あたりではスーパーでもよく見かけたものですが、入っているパックには「みずうお」というラベルが貼ってありました。

石川県産のノロゲンゲ(提供:椎名まさと)

ただし、ヒメ目の深海魚でミズウオという、別種の深海魚もおりますので注意が必要です。

筆者は幼いころ、金沢市内のスーパーでノロゲンゲが入っていたパックのラベルに「みずうお」と書いてあったのを見て、図鑑などで見たミズウオと全然違うな、と思ったことがありました。

ノロゲンゲの干物(提供:椎名まさと)

さて、そんな「みずうお」ですが、干すと水分が抜けていきます。それを焼いて食べるのですがこれもまた美味しいものです。

このほか、やはり汁物などでも美味しく食べられるようです。

ゲンゲを食べてみよう

ゲンゲの仲間は地域により食用とされる、というタイプの魚です。

そのため、ほとんど市場に出ることがなく、たべられない地域もありますが、産地ではスーパーなどで販売されることもありますので、是非食べてみてほしいと思います。

(サカナトライター・椎名まさと)

文献

榮川省造. 1982. 新釈 魚名考.青銅企画出版.箕面.607pp.

中坊徹次編. 2013.日本産魚類検索 全種の同定 第三版.東海大学出版会.秦野.

Nelson J.S., T.C. Grande and M. V. H. Wilson. 2016. Fishes of the World Fifth Edition. John Wiley & Sons. New Jersey. 707 pp.

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椎名まさと

魚類の採集も飼育も食することも大好きな30代。関東地方に居住していますが過去様々な場所に居住。特に好きな魚はウツボ科、カエルウオ族、ハゼ科、スズメダイ科、テンジクダイ科、ナマズ類。研究テーマは魚類耳石と底曳網漁業。

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