ツバメウオの仲間は世界で5種、日本で4種が知られており、いずれも変わった形をしています。
魚の中では変わった形をしたツバメウオ属ですが、近縁種同士はよく似ており、混同してしまうことも少なくありません。
【画像】成魚とは全然違う!成魚とは全然違う!<ナンヨウツバメウオ>の幼魚はまるで枯れ葉?
しかし、ポイントをおさえることで色彩からツバメウオ属を見分けることができます。
ツバメウオの名前の由来と特徴
ツバメウオ(燕魚)の仲間はマンジュウダイ科ツバメウオ属に分類される、比較的温暖な海に生息する魚です。
日本産ツバメウオ属4種は釧路以南の太平洋、新潟以西の日本海、太平洋西部からインド洋、紅海、オーストラリア近海などに分布しています。
幼魚から成魚へ成長中のツバメウオ(提供:PhotoAC)そんなツバメウオの名前の由来ですが、一説には水中を泳ぐ姿がまるでツバメのように見えることとされています。特に幼魚では腹ビレ、背ビレ、尻ビレがとても長く、翼を広げたツバメが滑空しているように見えるでしょう。
ツバメウオの大きな特徴
ツバメウオの仲間は幼魚と成魚で姿が大きく異なることも特徴です。
特に、アカククリやナンヨウツバメウオ、バタビアツバメウオは親と似ても似つかない姿をしています。
ツバメウオは美味しい?
日本近海で見られる4種類のツバメウオの仲間は、鮮度が良ければ基本的にはおいしくいただけるそうです。
特に、縁側のお刺身が絶品だといい、ムニエルや唐揚げなどでもフワフワ食感でおいしいとのこと。ツバメウオの仲間は日本ではあまり漁獲されませんが、鹿児島や長崎などでは水揚げされることがあり、まれに市場に出回るそうです。
日本沿岸に分布する4種類のツバメウオの見分け方
日本近海で見られる4種類のツバメウオは模様によって区することができます。
ただし、ツバメウオ属は個体や成熟度によって、模様の濃さなどに違いがあるようです。
ツバメウオ (学名:Platax teira)
ツバメウオは幼魚も成魚も腹ビレの基部後方に黒色斑があるため、一番見分けやすいツバメウオ属と言えるでしょう。
ツバメウオの成魚(提供:PhotoAC)また、成魚では腹ビレが黄色なので、こちらも見分けるポイントになります。
アカククリ(学名:Platax pinnatus)
アカククリの幼魚では、全身が黒色で胸ビレ以外のヒレの縁辺が赤〜オレンジ色に縁どられているのが特徴です。
毒を持つヒラムシ(扁形動物有棒状体亜門ヒラムシ目)に擬態することで外敵から身を守っています。
アカククリの幼魚と成魚(提供:PhotoAC)成魚は胸ビレが黄色で腹ビレが黒色、口がかなり突出しているのが特徴です。背ビレと尻ビレの末端がややギザギザ気味であることも見分けるポイントでしょう。
ナンヨウツバメウオ (学名:Platax orbicularis)
ナンヨウツバメウオの幼魚はまるで枯れ葉のような形をしていて、沿岸の表層を漂っているのが特徴です。
ナンヨウツバメウオの幼魚と成魚(提供:PhotoAC)幼魚は本州の港湾内で見つかることも多いといいます。枯れ葉に擬態して、漂流生活することで外敵から身を守っているようです。
成魚は、口の上がわずかに凹み口が少し出ているように見え、目と胸ビレを通る暗色横帯の不定形の小黒斑が混じることもあります。
ミカヅキツバメウオ (学名:Platax boersii)
ミカヅキツバメウオの幼魚(提供:PhotoAC)ミカヅキツバメウオの幼魚は腹ビレがかなり長く、幅の広い暗色横帯と細い暗色横帯が存在するのが特徴で、ツバメウオの幼魚と区別がつきます。
ミカヅキツバメウオの成魚(提供:PhotoAC)ミカヅキツバメウオの成魚は腹ビレが暗色で長め、尾ビレの基部に明瞭な暗色横帯があり、体に微細な黒色斑点が存在するのが特徴です。
水族館や海で探してみよう
ツバメウオ属の魚は水族館ではよく展示されており、暖かい海のサンゴ礁付近でもよく見られます。
のんびり水族館で観賞するのもよいですし、海に潜ってみるのもよいでしょう。中でもツバメウオは分かりやすいので、すぐに見分けられるはずですよ。
(サカナトライター:額田善之)