京都水族館は4月16日、武田薬品工業株式会社が運営する京都薬用植物園と協働で、京都府内で絶滅の恐れがあるとされる魚や植物を交換する相互展示を始めることを発表しました。
京都水族館では4月23日より「京の里山」エリアで希少種である水生植物の展示を開始します。
いきものやそれを取り巻く環境への理解をすすめる
この取り組みでは、京都水族館と京都薬用植物園がそれぞれ保有・飼育する希少な魚・植物を交換し、相互に展示することで、観察・学びの機会といきものを取り巻く環境を考えるきっかけを
京都水族館からはカワバタモロコを京都薬用植物園に提供し、京都薬用植物園からはエゾミソハギ、オグラコウホネ、オニバス、ガガブタ、カキツバタ、コガマ、タコノアシ、ミクリ、ミズアオイといった9種類の水生植物が提供されるそう。
京都水族館から提供されたカワバタモロコは京都薬用植物園の「いきもの共生エリア」で、京都薬用植物園から提供された植物は京都水族館内にて里山風景を再現した「京の里山」
なお、京都薬用植物園では希少な薬用植物の保護・保全の観点から一般公開はしておらず、見学は完全予約制での受け入れとなっています。
(絶滅の恐れのあるいきものを知って守る 京都薬用植物園との協働 希少な魚と植物を相互展示-京都水族館)
カワバタモロコは西日本に生息する淡水魚
京都水族館から京都薬用植物園へ提供されるカワバタモロコはコイ科カワバタモロコ属に分類される日本固有の淡水魚です。
中部地方以西の広域に生息しており、本州の太平洋側(静岡~岡山県)、四国の瀬戸内海側(香川県、徳島県)、九州北西部(福岡県、佐賀県)に分布しています。また、本州、四国、九州それぞれの個体群は、遺伝的に異なる特性を有していることが明らかになっています。
成魚は3~5cmと小型の魚です。オスよりもメスのほうが大きく成長する性的二型の特徴を有しています。黄金色に輝くような婚姻色が特徴です。
かつては滋賀県の琵琶湖を中心に湖沼や河川、ため池や農業水路等、幅広い環境に生息していました。しかし現在では、開発行為による生息地域の減少や、湖岸や河川のコンクリート化による産卵床・生育環境の減少、外来種の侵入による捕食や環境の変化などにより、環境省レッドリストにおいて絶滅危惧種IB 類に指定されています(カワバタモロコの保全の手引き-環境省)。
京都薬用植物園と京都水族館の概要
京都府京都市左京区一乗寺竹ノ内町11
HP:https://www.takeda.co.jp/kyoto/visit/
※見学の際にはホームページ「見学受付」より申し込みが必要。
京都市下京区観喜寺町35-1(梅小路公園内)
営業時間:日により異なる。営業カレンダーを参照。
休館日:なし(年中無休)※施設点検、気象状況などで臨時休業あり。
HP:https://www.kyoto-aquarium.com/index.html