ボツリヌス中毒症とは?
ボツリヌス症とは、ボツリヌス菌がつくるボツリヌス神経毒素によっておこる中毒症状。この毒素のはたらきで、神経機能が阻害され、呼吸や筋肉で麻痺症状が引き起こされます。
ボツリヌス菌は酸素があると増えることのできない菌(嫌気性菌)です。その特性から、日本においてボツリヌス中毒が報告される原因食品は真空パック詰めの食品や缶詰、瓶詰であることが多いです。(ボツリヌス症とは-国立感染研究所)
厚労省によるファクトシートでは、「自家製の缶詰や保存食、発酵食品は食品由来のボツリヌス症でよくみられる感染源です」「ボツリヌス毒素は、緑豆、ホウレンソウ、キノコ、カブなどの酸性度の弱い保存野菜、マグロの缶詰、発酵させた魚・塩漬けの魚・燻製の魚などの魚介類、ハムやソーセージなどの肉製品など、さまざまな食品からみつかります」との記載があります(ボツリヌス中毒症(ファクトシート)—厚生労働省検疫所)。
今回紹介したフィシーフとレンガはいずれも発酵・塩漬け・燻製であることから、ボツリヌス毒素がある可能性は高いといえるでしょう。
食品の安全性について考える
旅行先で気になった料理が数千年前から続いている伝統料理だからといって、必ずしも安全が保障されているわけではありません。もちろん日本でも、食中毒を100%避けられる方法は存在しません。
しかし、どのような食品がどのような中毒症状を引き起こすかを知っておくだけでも、食のリスクは格段に減らせるのではないでしょうか。
(サカナト編集部)
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