とある水族館の淡水魚エリアで、一目ぼれした水生生物がいます。
その水生生物は「ポリプテルス・エンドリケリー」。個性的な見た目が幼いころに気に入っていた「怪獣のぬいぐるみ」に見えてしまい、もうすっかり虜になってしまいました。
怪獣みたいなギザギザのヒレ
ポリプテルス・エンドリケリーが気に入ったポイントは、特徴的な背ビレです。ギザギザと連なる10枚ほどの背ビレが、まるで怪獣のように見えてしまいました。
学名にある Polypterus(ポリプテルス)は、たくさんのヒレを意味しています。そんな豆知識を調べてしまうほどに、ポリプテルス・エンドリケリーへの興味は尽きません。
怪獣っぽさでいえば、体表の黒い縞模様も魅力的です。縞模様の形は個体によって異なるので、それぞれが唯一無二の個性を備えています。
愛嬌のあるつぶらな瞳
ポリプテルス・エンドリケリーは、愛嬌のある表情も魅力的です。正面から見たときのつぶらな瞳が、個人的にはたまりません。
まん丸とした目は、ナマズをはじめとする多くの淡水魚に見られる特徴でもあります。ポリプテルス・エンドリケリーと同様に、ナマズの表情も可愛らしいと思うのですが……。身近な人たちには、あまり共感を得られないのが、なんとももどかしい気分です。
一生懸命に泳ぐときには、胸ビレをパタパタと振る仕草にも愛嬌があります。
性格はのんびり屋?
水族館での写真撮影が趣味の私にとって、水槽でのんびりとしているポリプテルス・エンドリケリーの「大人しさ」には本当に助けられています。
水槽で泳ぐ魚の撮影に何回も泣かされてきたからこそ、カメラすら気にすることなくボーっとしている姿に心が癒されます。
ポリプテルス・エンドリケリーを飼育している人からは「捕食が下手な魚」という特徴もよく聞きます。エサの小魚を食べ逃してしまう不器用さに悩まされることも多いそうですが、個人的には「可愛らしさ」を感じてしまいます。
誰一人として同じエンドリケリーはいない
ポリプテルス・エンドリケリーには、縞模様や体色の個体差が見られます。
体表に現れる個性的な縞模様は、個体によってデザインが異なります。それぞれが唯一無二の個性を備えており、アクアリストは「うちの子が1番!」って思っているはず。
また、生息する環境によって体色が変わるのも特徴的です。さまざまな水族館でポリプテルス・エンドリケリーを撮影してきた私にとって、見た目の違いを見比べてみるのが個人的な楽しみでもあります。
(サカナトライター:taku)