サカナに特化した本屋・SAKANA BOOKS(サカナブックス)で2023年8月からスタートした水生生物クリエイター向けの棚貸しサービス『SAKANA APARTMENT(サカナアパートメント)』。
今回はSAKANA APARTMENTの408号室に現在入居中の漁師みずほさんに、水生生物や制作活動への思いを語っていただきました。
作品は漁協直営の食堂や水族館、イベントでも販売
━━━現在SAKANA APARTMENTでは、さまざまな水生生物の作品を置いていただいています。普段は主にどのような作品をつくったり、活動をされたりしていますか?
海の生き物をiPadで描いて、グッズを作っています。色を付けたイラストはポストカードやステッカー、アクリルキーホルダーに、線画はTシャツにしています。
SAKANA BOOKSさんにグッズを置かせてもらったり、地元にいけすや(※1)という漁協直営の食堂があるんですけれど、そこでアジのグッズをつくってそれを置かせてもらったりしています。
あとは、アクアマリンふくしまさんが、私が描いたイラストでグッズをつくってくれています。
イベントに出ることはあまりしていないのですが、「海からの贈りもの展(※2)」という海好きのひと、海の生きものモチーフや、砂浜でひろった貝殻などで作品をつくっている作家さんたちが集まるイベントに誘っていただいて、そこには参加させていただいています。
海からの贈りもの展は、地元の沼津でイベントをやるからどうですか?と誘っていただいたことがキッカケで参加するようになったんです。このあいだは鎌倉で開催されたので、そこにも出展しました。
集まる作家さんとか、お客さんのことが好きで、いいなとおもっているから、そこには参加するようにしています。
━━━各地で開催されるイベントなのですね。
年に何回か開催されるイベントで、全部というわけではないのですが、出られるときは出たいなとおもっています。
【海からの贈りもの展 次回開催予定】
・名称 海からの贈りもの展 VOL,7
・日時 2024年11月16日, 17日 10:00~19:00 (最終日のみ18:00までの予定)
・場所 MUJIcom ホテルメトロポリタン鎌倉店 (神奈川県鎌倉市小町1丁目8-1)
・詳細 Instagramをご覧ください:@umi.oku
漁師の仕事
━━━みずほさんはご実家が漁業に携わっていらして、マアジとマダイの養殖、アオリイカ漁、イワシまき網をメインに、ご自身も漁師のお仕事もされています。
実家ではマアジとマダイの養殖を通年しています。イワシのまき網は、秋と春にイワシがきたら獲ります。アオリイカは4月の半ばから8月いっぱいまでと漁期が決まっていて。時期によって(漁の対象は)変わります。
今はがっつり漁師の仕事をしてるわけではないですが、人手が必要な時に手伝ってます。
自分が欲しいものを、自分でつくろうとおもった
━━━制作を始めたきっかけはありますか?
小さい時から絵を描くことが好きだったのですが美術系に進もうとおもったことは無くて、ノートに授業中落書きをするくらいのレベルでした。
自分が漁師の仕事をがっつりしていた4年前くらいに、コロナが流行って。あまり遊びに行けなくなったときに、魚の絵でも描こうとiPadを買ったんです。
それでデジタルで絵を描くようになったらハマって。筆とか絵の具をつかうアナログより、デジタルって結構便利で、楽なのが自分にフィットしたんです。それから自分でイラストとかをつくるようになって。
世の中に、ネコとかイヌとかのデザインのTシャツは結構たくさんあるけれど、魚のTシャツってあんまり出会えなくって。自分が欲しいものを、自分でつくろうとおもったのもキッカケです。
そして友達が「それ欲しい、買いたい」って言ってくれてどんどん広がっていった感じです。
━━━作品づくりをはじめたのは、コロナ禍の頃からなのですね。
絵を描くっていうのを本格的に始めたのはそうなのですけれど、実際ちゃんと売り出したのは今年5月からです。去年はデザインの学校に通っていて、今年卒業し地元に帰ってきてから(販売も)本格的に活動し始めました。
あれ、でも去年からSAKANA BOOKSさんには置いていたから、ぼちぼちとは活動していましたね。去年の3月に、海からの贈りもの展のイベントに初めて参加したことがあって、それに向けてつくったのがスタートかもしれないです。