みなさんは「篠島」という島をご存じでしょうか。
篠島は名古屋から1時間ほどで行くことができる愛知県の離島です。アクセス良好なこの島には、都会では出会えない古き良き港町の風景が広がっています。そして、篠島は全国一のしらす産地でもあります。
この記事では、篠島と生しらすの魅力をたっぷりご紹介します。
名古屋から1時間で行ける離島「篠島」
篠島は「佐久島」「日間賀島」と並ぶ、愛知県の離島です。
天然のとらふぐやマダイなど海の幸が豊富で、島に点在する飲食店では地魚を丸ごと1匹使った島ならではの食事がお値打ちで楽しめます。
砂浜越しに見る美しいサンセットはあの日本の夕陽百選にも選ばれています。信号すらないのどかな島には、本土と違うゆったりした時間が流れています。
名古屋から篠島まではアクセスも良いです。電車なら名鉄「名古屋」駅から名鉄名古屋本線・河和行きに乗って「河和」駅へ行き、そこから徒歩移動で「河和港」から篠島へ。自動車なら港に駐車場が併設されている「師崎港」から船に乗るのがおすすめです。
船は毎日運航しており、島民のみならず観光客や釣り人も多く利用しています。どちらのルートも船の本数は多いですが、名鉄海上観光船のホームページから船の時刻を事前に調べておくと安心です。
篠島のしらす水揚げ量は日本一!
一周8.2キロと自転車ですぐ一周できてしまうほど小さな篠島ですが、実はしらすの漁港単位の水揚げ量が日本一なんです!
篠島の島民の7割が漁業と水産加工業を生業としており、島の漁師の実に7割がしらす漁師なのだそう。多い日には1日だけで70トンものしらすが水揚げされているという、知る人ぞ知るしらす名産地です。
島民のしらす愛は深く、島のマスコット「しらっぴー」はしらすがモチーフです。ちなみに島では鯛も有名で、実に1000年以上もの間、毎年欠かさず伊勢神宮に奉納されています。
そんな篠島が誇る、春から秋限定のグルメこそ、「生しらす」です。
今だけの味覚「生しらす」
通常スーパーで売っているしらすは「釜揚げしらす」と呼ばれる、水揚げ後に釜で茹でて水気を切ったもの。その釜揚げしらすを乾燥させたものが「ちりめん」になります。愛知ではちりめんをさらにしっかり乾燥させたものを「かちり」と呼んでいます。
「生しらす」とは、水揚げされたばかりの取れたてのしらすのことを指します。生しらすは足が早く傷みやすいため、そのままスーパーに出回ることはあまりありません。
今は技術の進歩により生しらすが冷凍販売されていることもありますが、島で食べる生しらすは格別です。
最高の鮮度で提供される生しらすは釜揚げしらすとは全くの別物。小ぶりながらぷりっとした食感と独特の滋味は他にはない味です。
特に夏場の生しらすはプランクトンを豊富に蓄えており味が濃厚! 魚をまるごと食べているため栄養満点です。
生しらすを食べに篠島に行こう
篠島のしらす漁は、4月~12月前半頃まで行われています。都会の喧騒に疲れたら、篠島でほっとひと息つくのはいかがでしょうか。
生しらすを食べて美しい夕陽を見れば、きっとおなかも心も満たされますよ!
(サカナトライター:桐田えこ)