「サステナブル・シーフード」という言葉を聞いたことがありますか?
【画像】南米・ペルーでMSC認証取得を目指す<アメリカオオアカイカ>の漁業の様子
昨今、人口増加による「魚の乱獲」や地球温暖化による「海面温度の上昇」、そして人間のゴミによる「海洋汚染」などを原因として、海の魚たちが急激に数を減らしています。
日本においても、年間漁獲量は1984年の1282万トンに対して、2022年には392万トンと大きく減少しています。漁獲量が魚の資源量を直接示すものではないことを割り引いても、この変化を見過ごすわけにはいかないでしょう。
このままだと、将来魚を食べられなくなるかもしれない──。
そのような状況を打破するために、今注目されているのがサステナブル・シーフードです。
筆者は3年前、地元・五島列島の「ひじき」が「サステナブル・シーフードアワード」ファイナリストに選ばれたことをきっかけにサステナブル・シーフードについて知りました。
未来の海を守るサステナブル・シーフードとは、一体どのようなものなのでしょうか。
<サステナブル・シーフード>とは?
サステナブル・シーフードとは、水産資源や自然環境に悪影響を与えない持続可能な漁業でとられた水産物、もしくは海の環境や社会に配慮しながら養殖された水産物のことです。
具体的には、例えば“徹底した漁業制限”が挙げられます。
「産卵期には魚をとらない」「幼魚をとらないよう、サイズ規制を設ける」「海鳥や海洋哺乳類などに配慮した漁具を使用する」など、海の生態系を脅かさずに本当に必要な分だけの水産物をとることを大切にしています。
サステナブル・シーフードを普及させる“ラベル”
サステナブル・シーフードを世界に普及させるために導入されているのが、「MSC 海のエコラベル(MSC認証)」と「ASCラベル(ASC認証)」です。
MSC認証は、MSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)という国際非営利団体による認証制度。水産資源と環境に配慮した持続可能な漁業で取られた「天然の水産物」の証です。
製品に印刷された「MSC 海のエコラベル」と「ASC認証ラベル」(撮影:サカナト編集部)一方のASC認証は、世界自然保護基金(WWF)と農林水産物等の持続可能な流通を推進するオランダの団体IDHが2009年に共同で設立したASC(Aquaculture stewardship Council:水産養殖管理協議会)による認証制度。環境と社会への影響を最小限にして育てられた「養殖の水産物」の証となっています。
これらのラベルがついた食品がサステナブル・シーフードと呼ばれています。
<サステナブル・シーフード>はどこで購入できる?
サステナブル・シーフードは、日本国内でも購入可能です。
海の環境をよりよくする第一歩として、日々の食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。
ここでは、比較的手に取りやすいお店やスーパーなど3カ所をピックアップしました。
イオンのプライベートブランド<トップバリュ>
イオンは2006年とかなり早い段階から、MSC認定商品を発売しています。
トップバリュ「スチームあさりむき身」(撮影:サカナト編集部)イオンリテール株式会社のプライベートブランド「トップバリュ」のサイトによると、MSC認証商品は427品、ASC対象商品は448件が販売されているようです(「トップバリュ環境配慮商品とは?」より。2026年2月28日時点)。
セブンイレブンのプライベートブランド<セブンプレミアム>
セブン&アイグループは「GREEN CHALLENGE 2050」を掲げ、豊かな地球環境を未来世代に繋いでいくことができるように、「海のエコラベル」が付いた商品の開発や販売に力を入れています(環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』-セブン&アイホールディングス)。
コンビニエンスストア「セブンイレブン」で販売されている「セブンプレミアム」の水産食品などで、MSC認証商品が販売されています。
セブンプレミアム「ひとくち辛子明太子」(撮影:サカナト編集部)マクドナルドの<フィレオフィッシュ>
マクドナルドのメニュー「フィレオフィッシュ」は2019年、25年ぶりのリニューアルに伴い、「海のエコラベル」を付けて販売しています。
マクドナルドのホームページでは「人類共有の財産である水産資源を守るため、日本マクドナルドはMSC認証を取得し、持続可能で環境に配慮した漁業で獲られた天然のスケソウダラを使用したフィレオフィッシュをお客様に提供しています」と記載されています(責任ある調達-マクドナルド)。
「サステナブルシーフード」を探してみて
もちろん、サステナブル・シーフードが手に入れられるのは上記のスーパーやお店だけではありません。地元のスーパーやコンビニエンスストアでも手に取ることができるので、ぜひ探してみてください。
着実に進行している海の魚たちの減少──これを食い止めるには、私たち一人ひとりの小さな行動が欠かせません。
次のスーパーでの買い物、ちょっとだけ意識して「海のエコラベル」を探してみましょう。
あなたのその選択が、未来の海を守る一歩になります。
(サカナトライター:ティガ)
参考文献
海のおいしい魚を守るため「サステナブル・シーフード」を食べよう!-日本財団ジャーナル
【長崎県五島市福江島特産品「ひじき」の復活・商品化・販売への取組み】が「第4回ジャパン・サステナブルシーフード・アワード」ファイナリストを受賞-日本アクセス
MSC (海洋管理協議会) -Marine Stewardship Council
WWFジャパンー環境に配慮した養殖シーフードの「ASC」ラベルが決定