ナマコは、“海の掃除屋”として知られています。今日も今日とて、彼らは人知れず海を綺麗にしているのです。
その掃除の過程は、砂や泥に含まれる有機物を消化し、綺麗になった砂を排出する──というシンプルなもの。
そんな彼らのことなので、体の構造もさぞシンプルなのだろうと思いがちですが、意外にナマコは複雑な体をしているのです。
ナマコに抱いていたイメージ
多く人が知るように、ナマコは大きな芋虫のような見た目をしています。
その見た目や生態から、ナマコというと、頭のほうに口があって、胴体の中には消化管が1本通っていて、それがお尻の穴につながっている生き物というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
ナマコのイメージ(提供:妖精社)しかし、ナマコの体の構造は、実はすさまじく複雑なのです。
ナマコの体は単純じゃない!
口のところには触手があり、口の周辺には石灰環(せっかいかん/calcareousring)という内骨格があります。また、口のすぐ近くには生殖孔があり、その生殖孔からは生殖輪管という管がのびていて、生殖巣につながっています。
さらに、体の中には口からつながる腸がぐねぐねと曲がりながら詰まっていて、それが肛門へと続いています。
ナマコ(提供:PhotoAC)それだけではありません。
その他にも呼吸や循環などの役割を担う水管系、体液の予備供給源や免疫などで重要な役割を果たしているポーリ嚢(のう)、呼吸器官である呼吸樹(こきゅうじゅ)などがナマコの体の中に詰まっているのです。
ナマコは爆発する?
もう一つ特徴的なのが、防御器官である「キュビエ器官」です。
キュビエ器官は白い糸状のねばねばしたもので、ナマコは外敵から襲われた際にこのキュビエ器官を体内から放出することで身を守るのです。
キュビエ器官を放出するフタスジナマコ(提供:PhotoAC)昔のテレビで、ナマコがキュビエ器官を放出するその瞬間を見たことがあります。ゴム手袋をした手でナマコの体を揉むと、ナマコが肛門からかなりの勢いで白い糸状のものを放出していたのです。
それはまるで“ナマコが爆発した”と表現してもおかしくない様子でした。
ちなみに、このキュビエ器官は放出後、ナマコの体からは切り離されるのですが、放出から1〜3ヶ月程度で体内に再生するのだそうです。
ナマコの体は面白い!
面白い見た目が取り上げられることも多いナマコですが、実はその体の構造もとても面白いんです。
水族館やダイビング、シュノーケリングなどで出会ったら、ぜひゆっくりと暮らす彼らを観察してみてください。
その不思議な生態が垣間見えるかもしれませんよ。
(ライター:妖精社)